第57回 日本の将来について(2)

第52回 日本の将来について(2) 介護難民続出?

2025年 32万人不足 2040年 69万人不足

これはどの業界の人員不足を表しているかご存知ですか?

私達が遅かれ早かれお世話になるであろう介護職員の不足人員です。

今後は、少子高齢化で高齢者が増え、若者が少なくなり、人員不足問題は改善されるどころか悪くなる一方です。(貴方も私も介護難民になるかも?)

弊社でも、介護施設の人手不足に少しでもお役に立ちたいとの思いから、介護関連の技能実習や特定技能の外国人を紹介する事業をスタートしましたので、皆様のお手伝いが出来れば幸いです。

 

介護労働実態調査によると

介護施設で働く人の年齢構成のうち20代は11%となっています。そして若者が来ないため介護職員の高齢化も進んでおり、今後は高齢化による人材の質(高齢による肉体的な制限)も課題となることが目に見えています。(ちなみに宮城県の介護職員の平均年齢は45歳前後です。)

昔、あっちこっちに見られた看護学校も最近は少なくなり、過去10年間で25%も減っているそうです。入学定員に至っては50%減とも言われ、日本人若者には魅力の無い業種になっているのは明らかです。

低賃金。重労働。若者がいない。ストレスが多い。離職率が高い。等々の理由で若者には全く人気がありません。

お国も介護労働者の待遇改善と称していろいろな補助金を出していますが、多くの場合、末端の労働者までには届いていないのが実態の様で悲しくなります。

 

日本人の賃金を他業種並みに引き上げるのも方策のひとつでしょうが、それでは介護施設が成り立たなくなってしまいます。政府が肩代わりするにも今の政府にその財源もありませんし、介護報酬・国民負担引上げは国民の反発が大きいでしょう。

 

先進国の介護施設では。

海外の介護施設のマネージャークラスは男女を問わず高級なスーツを着こなし、大学で介護学や心理学、経営学等の専門課程を習得したバリバリのエリートである事が一般的です。

(介護施設を作る際のコンセプトが最初から異なっているのでしょうね。)

一方、介護現場は多くのスタッフが外国人労働者で占められています。

 

なぜならば、

 

◎介護施設の運営には専門的な知識が必要。

マネージャーや現場のリーダーは十分な教育を受けたプロフェッショナルが担当

するべきである。

 

◎介護現場のスタッフとして自国民を雇用すると非常にコストが高い。それよりも

優秀な外国人を雇用し、教育し、戦力化するほうが総コストを抑えられる。

の2つを大原則として運営されているのです。

 

日本の事情は欧米とは大きく異なっており、そのまま横展開は出来ませんが、考え方としては横展開出来るのではないでしょうか?

優秀な日本人を将来の幹部候補生として雇用する。そうすれば自分の将来像がイメージ出来、モチベーションが向上し、離職率の低下に寄与すると考えられます。

そして現場の人材は、東南アジアからの技能実習・特定技能の外国人に求めるのです。

技能実習 5年 特定技能5年 基本的にはMAX10年の日本滞在となり、年功序列の賃金体系にも勤続10年以内では大きく影響はしません。

(基本的に彼らはこの期間中には殆ど辞めません。)

例えばフィリピンでは多くの医療系大学・短期大学を卒業しても、自国では就職出来ない専門知識を学んだ若者が数多く存在します。

彼らを低賃金労働者として受入れる事は法律上出来ませんが、日本人と同等の賃金で雇う事で、若い労働力で活気ある施設に変貌させる事は可能なのです。

日本人を採用する際のコスト、離職率の高さ、その他、日本人のみを採用し続けるのはトータルコストが非常に高くなってしまうのです。

少子高齢化が加速する日本で、日本人だけでの業務をいつまで出来るのか?

この現実を真剣に受け止め早急に対処する時が来ています。

 

介護業界のみならず、他業界でも外国人労働者の積極的受入れを考える時期に来ているのではないでしょうか?