第55回 トイレよもやま話 中国編

第55回 トイレよもやま話 中国編

北京オリンピック以降中国のトイレ事情は改善されたと言われていますが、それは都市部に関しての話であり、地方都市に行けば行くほど話題に事欠く事はありません。

私の中国のトイレの印象は兎に角、臭い、汚い、恥ずかしいの3拍子揃い踏み。

場所によっては足の踏み場も無いくらい汚い所が多いのです。便器には座る勇気を持てないほどに汚れているので、中腰(エアー便座と言う)又は便器の上に登ってしゃがみ込むかの二者択一です。

後者は足を滑らせてケツを強く打った経験からお勧めは出来ません。(痛かったぁ~)

 

臭いのは人間の排泄物なので致し方無し。問題なのは恥ずかしさです。

トイレに前扉が無い。横の仕切りが無い。のは当り前なのです。皆さんお知り合い(お尻合い)になるのです。神聖なる用便の姿を他人に晒さなくてはならないのです。

慣れた添乗員さん達は、傘を広げて用便姿を見られない様にする為に常に傘を持っているそうです。(折り畳み式傘を推奨します。)

   

お尻合い式の中国特有のニーハオトイレは4種類あると言われています。

① スタンダード・ニーハオ

扉無し又は両サイド仕切り無しの一般的なニーハオトイレです。開放的(?)ですよ。

② シェア・ニーハオ    

溝にまたがって用を足す、いわば「横溝式トイレ」前の人のモノをダイレクトに見せつけられる。同時に自分のモノも見せつけられる勇気の必要なトイレ。

③ フルオープン・ニーハオ 

ドアどころか、壁すらない。突然 前数人分の排泄物が目の前に現れる、ということになる自然人体験型トイレ。開放的と言えば聞こえは良いが私達には最も辛い方式です。

④ ボッチャン・ニーハオ

普通は水で流すのですが、地方に行くと遭遇出来る溜め壺式トイレ。

床板が腐っていたりすると、たまに落っこちてしまうらしい勇気必要型トイレ。

 

貴方はどのニーハオトイレがお好みですか? 是非、中国でエンジョイして下さい。

 

今ではホテル、デパート、ショッピングセンターどこでも綺麗なトイレが多くなりましたが、

その昔、中国東北部ハルピンに長期出張していた際に、本社から物見遊山で工場見学に来た生け好かない上司を街に案内した際には、知らない振りをして③フルオープン・ニーハオに連れて行きました。(あの時は気持ちスッキリしたっけなぁ~)

 

中国伝統の股割れパンツとは?

これも、トイレネタに付随してよく話題になる子供の股割れパンツ。現在でもたまに見かける事が出来ます。背景には、“子供の排泄は神聖なモノ”との文化があるのです。

故に、道端でも、街中でも、公共施設でも、トイレの手洗いの所は言わずもがな、エレベーターの中でも、人目を気にすること無く、股割れパンツから簡単に排泄させてしまうのです。

小さい頃からどこでも排泄をすることが当たり前として育てられているので、大人になってからもそれが常識となってしまうのです。故に中国人は大人になってもマナーが悪いと言われる理由なのです。

 

中国の公共のトイレではトイレットペーパーが直ぐに無くなるので、トイレットペーパーは置いていないのが一般的です。

私達の工場でも、口を酸っぱくして注意しても直ぐになくなるので廃止した経緯がありました。 

自分の物は俺の物、他人の物は俺の物と言うのが中国人のDNAに擦り込まれているので、シュキンペさんが尖閣諸島も台湾も俺の物と言うのも本質は全く一緒なのかも知れません。

 

トイレの話が国際問題に発展しそうなので今回はこれにてお仕舞い。