第54回 トイレよもやま話 イスラム編

第54回 トイレよもやま話 イスラム編

日本では、つい先日(?)まで、ボッチャン便所が主流でした。

お尻を拭くにはチリ紙(白チリ)を使うのは裕福な家で、普通は黒チリ又は揉み解した新聞や雑誌でした。(私の御幼少の頃は黒チリでした。私の細やかな見栄ですけれど。)

それもない時代は藁とか木の葉、木片を使っていましたが、貴方にはそんな経験はありませんよね?

私達はトイレットペーパーが主流ですが、実はトイレットペーパーを使っているのは先進国を中心とした地球上の全人口の30~40%程度なのだとか。

更に多くの国ではそのまま下水に流せず、トイレットペーパーを捨てる籠が備え付けられているのが現状です。下水などのインフラが貧弱。紙そのものが水溶性のものとなっていない。等の理由だそうです。(日本のトイレットペーパーには驚きの品質です。)

 

国民の紙、黒チリは♪安くて量が多い~ ♬ ♪ 白チリでは高すぎる~♬ 新聞紙では硬すぎる~♪♬

 

昔、こんな歌がありましたね?(知っている人は私と同年齢です。)

 

さてさて東南アジアでの事情はどうなのでしょう?

 

不浄の左手の話

不浄の左手は、ヒンズーから仏教へと伝わり、浄土真宗の作法の中で『数珠はお勤めや合掌の時以外は、必ず左手で持つ』とされています。 聖浄なる右手は仏さまを表し、不浄の左手は、ドロドロとした人間の世界を表すそうです。

同様にイスラム教の人々も左手を不浄の左手と呼びます。

イスラム圏では古くから『右手は食べ物を食べる手、トイレでは左手でお尻を拭くから不浄の手』とされていて、現在でもこの考えが深く根付いています。

日本では、可愛いね?と子供の頭を良く撫でますが、イスラム社会では精霊の宿る子供の頭を左手で撫でるとは何事だぁ~と、大変な事になりますので注意が必要です。

インドネシアに駐在していた時に、パンを両手で千切って、左手で食べていた時に、他の客から変な目で見られた経験があります。(この様な時には右手で食べるそうです。)

私はまだ左手でお尻を拭いた経験が無いので作法について説明は出来ませんので悪しからず。

 

イスラム式トイレ どちらが向きにしゃがめば良いの?

インドネシアやマレーシアに行くとイスラム式トイレが主流です。

昔風の和便器の金隠しの無い様なコンクリートやタイル貼りのトイレ。

お尻を洗う水を貯めた水桶。その水をすくってお尻を洗う手桶。チリ紙等を捨てるゴミ箱。で構成?されています。

どちら向きにしゃがんで用足しするのか分からず、更に水が入ったバケツとプラスチック製の柄杓。どうやってケツを拭くんだぁ~と怒っても誰も助けてはくれません。

じつは手桶の水をお尻にかけながら左手でお尻を拭くのだそうです。(左手ですよ!)

郷に入らずば郷に従え。とは言いますが、貴方は従えますか?(私には出来ましぇん)

特に日本からの女性の出張者は、イスラム式に入ると、出るモノも出なくなると不評でしたが、そこは我慢して頂くしかありませんでした。

(綺麗なトイレはごく僅かで殆どは汚くて二の足を踏んでいたのが実態です。)

産まれて初めての紙以外で“事後処理”する貴重な体験を貴方も楽しんでは見ませんか?

 

手桶から一歩進化すると、水鉄砲風シャワーになります。

ホースに繋がれた水鉄砲を想像して下さい。

用便後、水鉄砲で『水戸の黄門様』めがけて噴射して洗い流すのです。

当然、乾燥装置はありませんので自然放置又はティッシュ等で乾かして終了となります。

最初の内は狙いが定まらず、下着やズボンを濡らしたり、便器や床をベチャベチャにしたものですが、慣れればしめたもの。この手動式ウォシュレットはコツを掴むと愛おしくさえなります。  (ティッシュで拭き取るより清潔です。)

先日 ウ〇チの菌はトイレットペーパー38枚重ねでも通り抜ける。と何かの記事に書いてありました。 手動式ウォシュレット自然乾燥方式の清潔感 素晴らしい~。

 

次回は中国のトイレ事情   ニーハオトイレって知ってますか?