第45回 インドネシアよもやま話
インドネシアの印象 = 税関との闘いで四苦八苦。
インドネシアに中古機械を送るには、事前にインドネシア指定の検査機関で船積前検査(中古証明書を取得)をしてから輸出しなければならないのが決まり。
しかしながら、現地税関の対応は、全く何の為の中古証明書なのか意味をなさないのである。
【税関曰く】
【中古機械は、こんなにピカピカしているはずが無い。新品だべ?】と、のたまうのである。
『オーバーホールして、新たに塗装して、新品の様にして出すのが日本の決まりだ。』と幾ら説明しても埒が明かないのです。
一方、新品の機械の検査の際には、【新品の機械に錆があるはずが無い。油が染み出ているはずが無い。中古だべ?】とほざきやがる。
幾ら、『新品でも作ってから時間が経てば少々は錆びる。 輸送中にも錆びるので錆止め剤を塗っている。』と説明しても埒が明かない。
さらに、機械を掃除するウェスを送った際には、【古着は輸入出来ない。コンテナ全部輸入禁止】と来る。『古着では無いウェスだ』と言ってもシャツの一端を持ち上げて【古着だべや?】と来る。 奴らは、綿で出来たシャツはウェスに最適。との事情は知らないのである。
彼等にとっては、賄賂要求目的でゴネているのであって、真実は関係ないのである。 結局は、輸入したいのなら○○万ルピア払え。となるから始末に困るのです。
一度、余りにも腹が立つので賄賂要求を蹴った所、日本にシップバックされてしまった事もありました。
その後は、税関相手に喧嘩しても勝ち目は無いので、渋々要求された金額を支払ったのだが当然、領収書は出るはずもない。(使途不明金で経理処理が出来ないから厄介。)
税務署は税務署で、領収書の無い資金の流れ(賄賂)を知っていて、税務監査と称してやって来る。
【○○ルピア支払えば監査は直ぐ終わるが、支払わなければ全ての帳票をじっくり調べる。3~4日かかるよ。】 【どっちが良いの?】 と来るのである。
ついでにもう一つ。 労働局も賄賂要求の巣窟。
日本人出張者は数日の滞在なので一般的には観光ビザで渡航しますが、インドネシアでは観光ビザでは会議程度は目を瞑るのですが、作業指導等には目的外就労に当たるので
罰金だ。収監だ。と突然工場監査に来るのです。(解決方法はやはりお金なのです)
(労働局は小遣い銭を渡して町中にスパイとして放っているらしいのです。)
ある日、商工会の知人に相談した所、政府に影響力のある警備会社の社長を知っているので相談して見ては?とアドバイスを受け、相談した所、その後ピタリと賄賂要求は止まったのである。
(当然、この社長の経営する警備会社に工場警備を変更。警備料は高く付いたが賄賂よりはトータルでは安くなったので良しとせざるを得ませんでした。)
今から12~13年前のインドネシアは国全体が賄賂の巣窟、悪の枢軸だったのである。(今でも余り変わってはいない様ですが)
ジャカルタの交通渋滞はハンパ無い。
インドネシアの交通渋滞のニュースは皆さんも見た事があると思います。
インドネシアの道路の総面積より、保有する全自動車の総面積の方が大きいと言われており、全車両がスタートした途端に交通渋滞するとさえ言われている程、車やバイクの量が多いのです。
一度交通渋滞にハマったらサァ大変。クサビでも打った様に全く動かなくなるのです。
通常20分程度の距離が3~4時間かかるのも珍しくはありません。
交通渋滞のせいで多くの会社は、計画以上の社有車やデリバリートラックを準備しなければならず、頭の痛い問題でした。
海外進出するならインドネシアは候補から外した方がイイっすよ。(独り言です。)
今思うと悪徳役所の面々と交通渋滞のイメージしか無いインドネシア。
メシも不味ければエンターテイメントも無い。
良い点を探したのですが、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 。 やっぱ無いっす。
次回はフィリピンよもやま話をお送りします。