第39回 マレーシアよもやま話

第39回 マレーシアよもやま話

東洋の真珠と言われるマレーシア・ペナン島。 エキゾチックで郷愁のある街。食事も安くて美味しい。 南国情緒満載。(どこが真珠なの?と言うのが本当の姿ですが、、、、。)

電子部品のアッセンブルの仕事で何度も訪れていました。

何度もペナン国際空港を利用していると、何回かに1回は税関トラブルに巻き込まれます。 

 

本来ならば、個人所有物以外のハンドキャリーの物品を持ち込む際にはインボイスを持って、税関申告レーンで税金を払って入国するべきなのですが、殆どの場合は申告無しのレーンを通って入国していました。

ある日、いつもの様に申告無しレーンを通り過ぎようとした際に、『チョット待て!! 荷物検査だ』となってしまい、『これは何だ?』といろいろなモノを見つけては税金を払えとなるのです。(ここまでは正当な税関職員の仕事を全うしている。)

この時は糸ハンダを持ち込もうとして見つかったのです。(マレーシアは錫の生産国なので糸ハンダは無申告で持ち込んではならない決まりがある。)

ヤバイと思いながら応対していると、関税なら500ドルだが、この場で現金で払えば、250ドルで良い。との賄賂要求となるのです。

そう来たならば、そこからはつたない英語での値引き交渉が始まるのです。

 

(ここからが正当で無い税関職員の仕事)

●250ドルは無い。 シンガポール100ドルでダメか? 

▲ダメだ。シンガポールドルなら200ドルだ。

●現金は持合わせていない。

▲ではサイフを見せろ。と綱引き合戦が始まりで適当な妥協点を見つけては入国となるのです。 

 

何度税関でやりあった事か。今思うと危なっかしい、そして懐かしい思い出です。

(彼等も日本人からの小遣い稼ぎなので厳しい取り立てはしないのが常)

 

税関で引っ掛かってしまった時の嘘の様な本当の話。

その時も当然の如く賄賂交渉となったが、その時は現地工場スタッフへのお土産に福島の赤べコをたまたま持って行ったのが幸いした話です。

マレーシアでは牛は神様の使いとして扱われ、至る所(街中でも)で放牧されて交通渋滞の原因になっていても“神様の使いを追い払ってはいけない”のが暗黙のルールと知っていたので、スッタモンダの挙句

 

●マレーシアで牛は神様だろ? 実はこの赤い牛は家族の幸せと健康を守る日本の神様だ。お前の家族を日本の神様も守ってやれるがこれでダメか?

▲そっそうか?ホントか?良し通れ。となったのである。

 

赤べコで税関トラブルを切り抜けた日本人第一号(自称)となった次第である。

無事、空港を抜けるとペナン島とマレーシア本土を繋ぐペナン大橋を渡ってマレーシア本土の工場へ行く。このペナン大橋は1985年に韓国の現代建設によって建造された。

韓国から多くの建設労働者が出稼ぎに来ており、その建設期間中にペナン島と本土側に棲息していた多くの野良犬が街から消える事件が相次いだが、当時その理由は韓国人労働者以外には知られていませんでした。

それもそのはず、【朝鮮族の犬を食べる文化】が世界に知れ広まったのは、1988年のソウルオリンピックの頃かららしいので致し方ありません。

 

マレーシアはイスラム教の国。

毎年9月頃1ヶ月間、日の出から日没の間は断食をしなければならないラマダンと言う宗教行事が行われます。

この断食の時期が厄介な問題を引き起こすのです。

工場労働者はそれでなくても常日頃、ロクな物を喰っていないうえに、断食の期間中にはスキッパラで働きに来るので、めまいで倒れる者が続出するのです。

特に製造ラインには若い女性労働者が多いので、神がかりみたいに集団失神になってしまい、あっちのラインでバタバタ。こっちのラインでバタバタと倒れ、一日何度も生産が止まってしまうのです。

(私達日本人には非常に異様に感じられ背すじゾックゾク。恐怖すら覚えます。)

 

常に日本人の移住先人気トップのマレーシア。 

一度機会があればぜひ訪れて見て下さい。(ラマダン以外の時期に!)

 

次はタイよもやま話を予定しています。