第216回 寅年(とら年)徒然考 〜トラは地球上に何頭?〜
新年明けましておめでとうございます。
なんとか新型コロナにも感染せず年を過ごすことができましたが、オミクロン株という厄介な新型コロナウイルスが驚くべき速さで流行り始めたので心配です。
それでも重病者や死亡者が多くないようで、政府には効果的で臨機応変の対策をして欲しいもので、くれぐれも「前門の虎、後門の狼」のような事態にならないことを願っております。
今年初めてのブログは、第2月曜日ではありませんが新年の挨拶も兼ねて、例年のように干支にちなんだ内容で発信いたします。
マレーのトラ、怪傑ハリマオ
トラというと真っ先に頭に浮かぶのが、今から60年前に大人気の活劇テレビ番組が「怪傑ハリマオ」です。
ハリマオとはマレー語でトラを意味するそうで、馬に乗った主人公が白いターバンをかぶりサングラスをかけた姿で銃を持って颯爽と登場するのをみると、私達当時の少年たちは胸をときめかしてテレビを食い入るように見ていました。
もちろん白黒の映像でしたが、東南アジアを舞台に主人公のハリマオが大活躍して秘密結社や武器商人などの悪漢たちと戦う内容でした。
物語には子供なのに拳銃名人の「太郎」という少年や、今だったら差別と云われそうな原住民の「タドン小僧」というハリマオの助手的な子供も出てきました。
外国ロケを日本で初めてしたこの番組はエキゾチック感もあり、大人たちにもそれなりの人気があったようですが、番組は1年位放送されたあとに突然という印象で終了してしまいました。
その為に、「ハリマオ役の俳優は撮影中にゾウに踏まれて死んでしまった」という噂が流れたほどで、しばらく子供たちは信じていましたが、それはデマだったようです。
主題歌は三橋美智也が「真っ赤な太陽♪ 燃えている 果てない南の大空に とどろきわたる雄叫びは 正しい者に味方する ハリマオ ハリマオ 僕らのハリマオ♫」と声高らかに歌い、新型コロナの流行る前は団塊の世代がカラオケで熱唱することもありました。
お年玉切手シート
年賀状の3等で100枚に3本当たるのがお年玉切手シートですが、最初に発行されたのが1950年(昭和25年)の私の誕生年でした。
その年の切手は寅の干支で図案は丸山応挙の描いたトラで、2円切手が5枚入っており少年時代に切手集めをしていた私はそれを手に入れてから、その趣味がなくなった今も毎年欠かさず集めています。
今年の分もそろえることができれば、あと12年後先のお年玉切手シートまでコンプリートを続けられるかもしれません。
年の初めの1月はそれらのコレクションを年に1度本棚から取り出して見ることが、私の楽しみの一つになっています。
年末年始のトラの話題
新年早々に那須サファリパークでトラによる人身事故があり、3名が重症というニュースが流れましたが、仙台ではトラの少しほっこりするようなニュースが昨年末にありました。
仙台市八木山動物公園で昨年の12月12日に希少なスマトラトラのオスの「アオ」(2歳)が、繁殖を促す目的で名古屋市東山動植物園へ移されました。
代わりに名古屋市の東山動植物園からは11月30日にメスの「ダマイ」(7歳)を迎え入れて在仙のオスの「ケアヒ」(13歳)とのペアリングを目指しています。
人間でいえば30歳位のダマイは小顔でしま模様がはっきりとした「美人」なので、中年のケアヒには頑張ってもらい、マッチングと本当の「トラの子」の誕生を期待しています。
トラが幻の動物に?
100年前には野生のトラは10万頭位が世界に生息していましたが、今では2千頭から3千頭しかいないそうです。
前述のスマトラトラは多い方ですが、それでも地球上には500頭位しかおらず、9種類あるトラは既に3種類が絶滅して現在では6種類しか生息していません。
レッドリストつまり絶滅危惧種に指定されているトラの存在は今や風前の灯火です。
干支の12種類の動物では辰つまり龍だけが架空の生き物ですが、近い将来トラが絶滅してしまい、干支では実在のしない2番目の動物になる可能性もあります。
「トラがニホンオオカミのような幻の動物になりませんように。」と、今年の干支の私は切に願ってしまうのです。