第16回 外国人材の日本語が上達しない理由

第16回 外国人材の日本語が上達しない理由

『どんなぐちでも気持ちよく聞いてくれる人 その人はあなたにとって大事な観音さまだ』 相田みつを

(そっかぁ。観音様だったんだ。皆さんも家に帰ったら感謝・感謝ですよ。決して我が家のは“鬼○め”だなんて思わないで下さいね。)

 

今回は外国人がいつまでも日本語が上達しないと悩まれている企業様にフォーカスを当てて見ました。

 

外国人材の日本語が上達しない理由

 

技能実習や特定技能にて外国人材を受入れている企業は多くありますが、共通した問題として日本語がなかなか上達しないことが挙げられます。

彼らは日本入国前に半年以上の日本語教育を受けてはいますが、正直なところ半年程度でスムーズな会話が出来る程までには上達しないのが現実です。

N4の日本語検定に合格していても、会話は出来ないと考えるべきです。

私達日本人は中学・高校・大学と10年間以上英語に触れていても話せない人が殆どなことからも語学を身に付けるのは相当ハードルが高いと言えます。

 

しかし、中には日本語が上達して指導や作業に殆ど問題が無いと評価される企業も多いのも事実です。

では、この違いは何なのでしょうか? 

実は、日本語教育がスムーズにいかなかった事例には共通の課題があることがわかりました。

 

現場での教育=日本語教育だと認識できていない

現場で使えるコミュニケーション能力を向上させるには、現場で学ぶのが一番の近道です。しかし、教育担当者は、現場での教育が日本語教育につながるという認識を持っていなかったのです。

現場の教育担当者が日本語の教育もするの? そんなのできるわけないよ・・・

このように考えるのは当然です。

では、課題が見つかった現場では、何をしていないのでしょうか?

その1つ目が、外国人にメモを取らせていなかったことです。

現場ではミーティングで重要な情報を共有しますが、メモを取るように指導していませんでした。

これでは日本語を聞き取って書く訓練の、絶好の機会を逃しているのと同じです。

「日本人の言葉は早すぎて、何を言っているかわからない!」、そう外国人に言われたから・・・。

それなら、ミーティングではゆっくりと話をしてもらうか、話の直後に外国人のメモ書きの内容を教育担当者が確認すればよいのです。

 

~ メモを取るように指導しない & メモ書きの内容を確認しない ~

「メモを取る」ということは、外国人に限らず働く者に必要とされるスキル・習慣です。仕事をするうえで必要とされる基本的なスキル・習慣と言っても過言ではないでしょう。

若い人に対して仕事の基本的なスキルを教えることが、実は外国人にとってみれば日本語の上達につながっていたのです。

 

そして2つ目が、口頭での【指示・指導】【確認】です。

口頭で指示や指導をして、確認のために「分かった?」と聞き返すと、100%近い確率で「分かりました!」と返答してきます。

そんな時には、「何が分かったのか、言ってみなさい」と聞くと、全く理解していないことの方が多いのが現実です。

 

~ 「分かった?」という聞き方をしてはいけません ~

外国人は、自身のメンツや指導者に落胆させてはいけないという思いから、分かっていなくても「分かりました!」と言う傾向があります。

何が分かったのか、教育担当者は外国人に丁寧に聞くこと、そして外国人に日本語で言わせることが、日本語の上達につながります。

 

外国人材が終業後日本語の勉強をしない。企業側が日本語の勉強する機会を与えていない。等々の問題もありますが、現場で繰り返し繰り返し話しかけ、理解度を確認することで格段に日本語は上達すると確信しています。

 

日本語習得の早道は、現場で日本語を「聞く・書く・話す・理解する」こと、つまり日本語を頻繁に使わせることにあります。

仕事が安定しなければ生活が安定しないので、新たなチャレンジも難しくなります。

 

習うより慣れろ。 Practice makes perfect !! なのです