第187回 5年日記帳の効用 〜もっと良い人生を送るために・・・〜

第187回 5年日記帳の効用 〜もっと良い人生を送るために・・・〜

 5年日記というものを毎日つけていますが、人間というものは同じパターンで暮らしているのだなあとつくづく実感してしまうのです。

 

「今日はとんでもない暑さの1日だった」と書いたところ、同じ日付の過去の3年前の日記を見ると、「今年は特に暑い日が続く」などと同じようなことを書いているのです。

「春なのに寒い日が続いて、季節外れの雪が舞っている」と書いた4月のある日の日記の数年前を振り返ると、同じような記述をしていることもありました。

 また「久しぶりに食べ放題の焼き肉を食べた」とか「ナイター観戦でぼろ負けした」などと書いたら1年前も同じ日に同じ店に行ったことや、同じ日に楽天が惨敗して帰宅したことが書いてあったのには驚いてしまいました。

 

 日記には仕事や家庭や世間の森羅万象喜怒哀楽となんでも書いていますので、あとでなにかを思いだすことや確認したりすることが重宝でもあります。

 

 今の世の中であれば、新型コロナで万が一身近にクラスターが発生した時に、日記を振り返ってみれば1、2週間前であっても、ほとんど思いだすことができるでしょう。

 特にシニア世代になると「2日前どころか、昨日の夕食の献立も忘れる」という体たらくの記憶力になり、3日も日記をつけないと霧がかかったような頭から記憶の断片を引っ張り出すのに苦労するありさまです。

 

 今使っている5年日記帳の4冊目はあと1年で終わってしまうので、もう20年間近く書き続けたことになります。

 日記は中学生の頃からつけ始め、その後に社会に出るまで時々書かなかったこともあったのですが、10年間位書き続けていました。

 社会に出てからは、やることと憶えることが多くサボってしまい、その後に5カ月間外国の旅をしている間は、毎日の出来事を書き留めていました。

 1日に1000字から2000字書き原稿用紙にすると500枚位になりましたが、A4用紙に表裏で蚤のフンのような小さい字で書いたので、1枚当たり8000字位で20数枚に納まりました。

 その後に20年以上ブランクのあとに、思うことがあり再び日記を書き始めたのです。

 

 5年日記帳について説明しますが、その名の通り5年分が1冊になっているので、面倒くさがり屋の人でも長続きできるのではないでしょうか。

 大きさはB5でその構成は1ページに横に日付が2日分、縦に5年分の年度が印刷してあり、10日分を書くことができるようになっています。

 表裏で20日分なので5年間でも90数枚で収まってしまいます。

 さらに、5年間のまとめたカレンダーや祝日行事、1年の初めに目標を書くページやフリーのページなどもあり、厚さも約2センチほどなのであまりかさばりません。

 1日に書くのはB5サイズの10分の1のスペースの6行だけなので、書くのを気が進まなければ箇条書きや単語だけ並べても良いですし、1年の日記帳のようにあまり白い部分が目立たず罪悪感もなく気楽にやれます。

 

 5年日記に限らず1年の日記でも毎日ペンを持って紙に向かうというのは、様々な効用があり是非お勧めします。

 

 一つ目の効用は「記憶力」の低下を防ぎ頭が活性化することです。

 一日一度、数行でも自分の行動記録や出来事を書くことによって、それに関連したことを思いだすため常時鍛えられたサラブレッドの競走馬のように、脳にある自分の海馬を鍛えることになります。

 この「思いだし効果」というのは、老人ホームで入居者に自分の若い頃や子供の頃の話しをさせると、脳の動きが活発になり痴呆症の改善や遅らせたりする効果があるというものです。以前は「昔のことを話してもボケるだけだ」と云われたそうですが、今では逆にそういう対話を多く取り入れるようにしているそうです。

 

 二つ目は「前向き」な考え方をするようになるということです。

 日記を続けていくと、自分を改めて見つめなおすことでストレスに少しずつ強くなるのではないでしょうか。

 ただし、内容はなるべくネガティブではなくポジティブなことを書くようにします。

 一日を振り返った時に「一善」でも行った時はそれを書きとめ、反省するような行動をした時はそれを見つめなおして繰り返さないようにする、いやな思いをした時はよほどでない限りそれは書かないことなどです。

 後で日記を読み返した時にプラスの出来事を極力多くすることが自分の糧になるのではないかと思います。

 

 三つ目は「目標をつくる」習慣が身につきます。

 5年日記の場合は、5年間の歳月に達成したい目標を各年度に記入しますが、1年日記の場合でも今年の目標や月ごとの目標、更に週ごとや年末年始の休みやゴールデンウィークや盆休みなどに何をしたいのかを、その初めの日までに書いておくと良いと思います。

 その場合の目標は「家を建てる」「車を買う」「PCを買う」などというモノだけではなく、

健康や人間関係や自己啓発などの目標も入れると良いですので、その為には次の四つ目も大事です。

 

 四つ目は「習慣化する」ことができるようになります。

 成人病予防や健康のために習慣化したいのであれば、目標を立て記録することです。

 例えば、ジョギングの回数と時間、歩数、スポーツジム記録、禁煙減煙、減酒、外食回数さらに通院記録や自分なりに実行している健康法や対策なども書くようにします。

 人生を充実させたいのであれば、読書、映画、音楽、芝居、旅行なども記録してみます。

 友人知人との付き合いを大事にするのであれば、結婚式、記念式典、パーティー、誕生日、見舞い、葬儀なども記帳しておくと不義理になることもありません。

 これらのことをいつも日記に書いておくようにすると、あまり意識しなくともスムーズにやれるようになります。

 

 まずは一冊目の5年日記帳に是非トライして下さい。

 いつも前年や数年前の振り返りができ、そうすることによって自分にとって過去よりも今からのほうが、もっと良い人生を送ることができるのではないでしょうか。