第172回 コロナラプソディー 〜アメリカ編〜

第172回 コロナラプソディー 〜アメリカ編〜

 4月7日に日本政府から緊急事態宣言が発令されました。

「いよいよか!!」と思ったのですが、その内容は想像していた中身とはまったく違っていて、がっかりすると同時にまさしく日本特有のファジイーな宣言なのだなあと、別の意味で妙に納得してしまいました。

 

 先日にアメリカに永住している姪とスカイプで話しをする機会があり、現在のアメリカの一般市民目線からの事情を知ることができました。

 

 彼女は夫婦ともIT関係の会社に所属しているので、コロナの影響でテレワークにより自宅の中で勤務しています。彼らが住んでいるのは、シリコンヒルズともいわれているテキサス州のオースチン市で、人口は90万人前後のハイテク都市です。テキサス州はアメリカの中で人口が全米2位、そして面積も2位で日本が二つ入るほどの巨大な地域です。

 

 コロナの津波は南部のこの地域にも押し寄せ、州の感染者は4月7日現在で1万人位まで増えており、オースチン市では感染者500人、死者は7人発生していると心配そうに話していました。

 感染者の状況は、地域の郵便番号ごとに毎日知ることができ、市のどの地域がどの位の人が感染したのか、死亡したのかその内訳が分かるそうです。

 

 街中は店内で食事するようなレストランは通常の営業は全くしておらず、開いている店もテイクアウトのみに限定されています。

 

 ほとんどの店は閉まっている中でスーパーマーケットだけは開いていて、早朝は他人との接触を少なくするために年配者向け専用の時間帯ということです。店内では客同士2メートル以上の間隔を必ずあけることが徹底され、出入り口でもすれ違わないようにしているようです。

 しかし、スーパーマーケットは営業していますが、店員が次々にコロナに感染してしまい、その人のやりくりに大変のようだと言っていました。

 その為に、アメリカでは医療従事者と同様にスーパーマーケットの店員たちもコロナ最前線で戦っているということで、あるスーパーチェーンでは「ヒーローボーナス」や時給をアップしているとの情報もありました。

 

 外出は食料品の買い物や散歩や人と接触しない運動だけに制限されており、散歩しても2メートル以上の距離をとって歩かなければならない、うっかりそれ以内に近づきすぎると、磁石のS極とS極が反発しあうようピョンとお互いに素早く離れるという少し笑えるような出来事もあったそうです。

 それでもほとんどの人はマスクを着けておらず、たまに着けたりすると顔をしかめられ感染者扱いされるというので、着けたくとも着けられないとこぼしていました。

 またテニスやキャッチボールなどの運動する場合も、同居している家族同士以外はやってはいけない、なぜなら相手の触れたボールからコロナウィルスが感染する恐れがあるからということです。

 さらに友人知人は論外で住居を別にする兄弟親せきでも、お互いの家を訪問することは原則的にはばかられるようです。

 

 姪とスカイプで話しをしている時にあることを尋ねました。

「ウォシュレットは使っているの?」と私。

「使っていないわ、高いのでアメリカでは、ほとんどの家にはないわよ」と姪。

 

 そこで私は考えました・・ 日本のウォシュレットの普及率は80パーセント以上で世帯当たりの台数にすれば、100パーセント以上です。もしかすると日本がコロナの感染率が低いのはウォシュレットにもあるのかもしれないと・・

 昔に聞いた話ですが、「チリ紙を50枚重ねて尻を拭いても大腸菌は透過することもある」、本当かどうかは不明です。ただ、日本のように直接水で洗い流すことにより、手に感染する確率はだいぶ少なくなるのではと考えたのです。

 中国に旅行に行った時、一流ホテルでしたが「配管が細いので詰まるかもしれないから、トイレでの後始末の紙は必ず備えてあるカゴに入れるように」とガイドから念を押されました。これがコロナ感染者だったらどうでしょう、飛び散る危険性は大変に大きいと言わざるを得ません。これも中国で一挙にコロナが拡散してしまった可能性もあるのではないでしょうか。

 

 アメリカでは前述のような厳しい生活をしていても、コロナの感染が爆発的に増えています。

 それに比べれば日本はまだまだ対策が甘く、日本がバイオハザードのようなゾンビ映画に映し出される街中のようにならないように切に願っております。