第161回 経営者の矜持 〜バランスのとれた経営感覚〜

第161回 経営者の矜持 〜バランスのとれた経営感覚〜

 最近の政治家や経営者は、「矜持(きょぅじ)」というものを本当に持っているのかと思う位にマスコミ媒体で、その恥ずかしい姿を見ることが多いようです。

 「矜持」とは「自信や誇りを持って堂々と振る舞うこと」とありますが、彼らの姿は「地震(自信)のような出来事を起こし、ホコリ(誇り)をたててトット(堂々と)と逃げてしまう」としか思えません。

 問題が噴出しても誰も納得しないような釈明をし、あたかも自分は第三者の立場か、又は迷惑をこうむった被害者のようにふるまうことでお茶を濁しているようです。

 昨年末にイリュージョンマジックのような国外脱出劇を披露したMr.Gはその典型ではないでしょうか。

 経営者の場合は社員がその一挙一動を見ないようで見ていますので、「矜持」ということが特に大切であると考えます。

 「同族企業は3代で終わる」ということを聞きます、ある調査会社によると倒産した企業の割合は、業歴30年以上は31%、10年未満の企業は24%という結果だそうです。また、創業した会社が二代目まで続く会社は30%で、三代目まで続く会社は15%という報告もあります。

 なぜ三代目になるとおかしくなるのかというと、一代目の創業者はゼロから企業を情熱と努力で立ち上げ、二代目はその後姿を見ながら育ち企業の財産と資源を増やしていきます。

 三代目になると創業者の理念や経営哲学が踏襲されず、経営という荒海を渡るだけの心構えと行動を維持することができずに、難破や座礁してしまうことが多いのかもしれません。

 

 そうならない為にも創業者はもちろん二代目や三代目でも必要なものの一つに「矜持」があると思います。「矜持」はバランスのとれた自尊心であり、自負であり、誇りではないでしょうか。

 自尊心とは「自分が他人よりも優れている」という意識で、英語ではプライドですが「あの人はプライドがありすぎる」とか「プライドを傷つけられ逆上した」などとあまり良い意味に使われない場合もあります。

 自負とは「自分の能力や体力に自信がある」ということで、「自分はこの仕事のプロと自負している」などと使います。それ相応のエキスパートとしてだれにも負けないと決意表明していることになります。謙譲の言葉ではありますが、その言葉を受け止める人によっては傲慢と感じてしまうかもしれません。

 誇りはもっと謙虚で「名誉に思う」という意味が込められています。スポーツ選手が「自分を誉めたい」とか「自分を誇りに思う」などというのはそういうことなのでしょう。「息子を誇りに思う」「我が社を誇りと考えている」などもよく使うようです。

 これらの自尊心や自負や誇りは、場合によっては「鼻にかけている」とか「驕り(おごり)」などと捉えられかねません。

 

 「矜持」とは前述の言葉のようなマイナスの意は感じられず、「矜持を正す」となると自分を律し正しい方向に向かうことを常に考えていると理解できます。

 「矜持」には反対語としては「忸怩(じくじ)」という言葉があり「自分の行いや言ったことについて恥ずかしく思うこと、深く恥じ入ること」という意味で、反対語であっても謙虚さが感じられます。

 

 ある創業者夫婦と昼食を一緒にした時のことでした。80歳を超えた方でいろいろな事業を幾つも立ち上げ、その地方では知らない人はいないほどですが、そのレストランに行く時も作業服姿でした。

 私はその会長が運転する軽自動車に乗せてもらいました。昼食中に会長の話を伺った時に思い浮かんだのが「暖かい心と冷たい頭」という言葉でした。家族や社員や取引先や地域に対する思いやり、そして裸一貫からの創業と冷静に考えた経営戦略でその方の現在があると思いました。

 昼食が済んで会長はお年のせいかスパゲティやパンを残してしまいましたが、それらをレストランに頼んで持ち帰りにしていました。奥様も慣れたようなしぐさで店からビニール袋を受け取った姿を見て、どんなモノでも粗末にしない、まさしく成功した創業者の姿なのだなと感じ入ってしまいました。

 

良く知られている吉田松陰の名言があります。

 

夢なき者に理想なし、

理想なき者に計画なし、

計画なき者に実行なし、

実行なき者に成功なし、

故に、夢なき者に成功なし。 

 

経営者にとっては、自分の矜持を持ち、そしてこの名言があれば「鬼に金棒」なのではないでしょうか。

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