第149回 隣(国)と仲が悪いのは当たり前? 〜他者への寛容〜

第149回 隣(国)と仲が悪いのは当たり前? 〜他者への寛容〜

 隣人同士というのはどうして仲が悪いのでしょうか。一番近い存在なので否が応でも四六時中顔を合わせなければならないので、たいしたことでもないのに気になるのかもしれません。それは人も家も国も同じのような気がします。

 

 新幹線に乗る、スポーツを観戦する、映画や演劇や音楽鑑賞をすると隣の人が気になる場合があります。肘をはみ出してくる、話し声が気になる、汗や体臭が匂う、荷物がはみ出してくる、リアクションが激しすぎる等々、気に障ることがいろいろと出てきます。

 

 私の知り合いが隣人に苦情を言われました。ご多分にもれず隣地との境界のことで、数センチはみ出ているといわれだいぶ長いこと揉めたらしいのですが、その土地はしっかりした不動産の会社の斡旋で購入したので間に入ってもらいなんとか治まったようです。

 しかし、その後も木の枝や葉が飛んでくると文句があったそうです。それでも知人は「隣の家では鳩を飼っているのでその鳴き声や臭いが気になるが、それを言ったらずっと気まずい思いをして暮らさなければならないので、たいしたことではないので我慢しているのです」と話していました。こういう対応を「大人の対応」というのでしょう。

 

 世界に目を向けるとこの「大人の対応」がなかなか難しいらしく、隣国といさかいを起こしている国々はなんと多いでのしょうか。今の日本と韓国の状況を見るとますますそう思ってしまいます。

 

 地球上のあちこちで隣国通しのいさかいがあることは、なんとなく知っている人は多いと思いますが調べてみたら、日本と隣国を除いてもなんと20ヵ国以上が角を突き合わせているのです。

 

 まずアジアでは、中国と仲が悪いのはモンゴルやチベット、インド、ベトナムなどですが、表面上では仲が良いようでもテーブルの上では握手をしながら、下では足の蹴飛ばし合いをしているのかもしれません。

微笑みの国タイは全方位外交ではないかと思ってしまいますが、ミャンマーやカンボジアとはうまくいっていないようですし、インドとは特に関係が良くないのはパキスタンで、核の持ち合いにまで悪化しているので心配になります。

 

 中近東では、日本とは仲が良いトルコがギリシャやシリア、アルメニアともうまくいっておらず、なんと多くの欧州諸国にもあまりよく思われていないようです。

 アラブの国同士では、アフガニスタンとパキスタン、イランとイラクやサウジアラビアです。

 この地域は我々日本人から見ると人種も言葉も同じように考えてしまいますが、宗教上の問題もありその関係があまりに複雑なために、私たちではなかなか理解が難しく八方睨み状態のようです。

 

 欧州の元共産圏では、ロシアが旧ソビエト連邦の構成国だったジョージアやリトアニアやウクライナと関係が悪く、アメリカやEU諸国とも絡んでその解消はやっかいのようです。又、ハンガリーとルーマニアも同様に不仲の隣国です。

 冷戦の時代に私は旧ユーゴスラビアをバスで縦断しましたが、そのモザイク国家はチトー大統領が亡くなってから6つの国に分裂し、今はその国家自体が無くなりました。そして2000年頃に終結した紛争後も、その分裂国家のセルビアとクロアチアは第2次大戦のナチスドイツの影響が尾を引いて特に仲が悪いようです

 

 その他にもイギリスとスコットランドやドイツとポーランド、ドイツとギリシャそしてアメリカとキューバなど隣国とはうまくいっていません。

 

 隣国同士の不仲の原因は、圧倒的に過去の戦争と領土領海によるもので、「許さない」、「譲らない」がその底にあるようです。

 

 韓国は日本から戦前に併合されたこと、そして420年前の秀吉時代に朝鮮出兵で被害を受けたので、「千年経っても忘れぬ恨み」と一部の人は言っていますが、戦争に関わり合った人々がほとんど亡くなった現在もその歴史を取り上げて謝罪を迫っています。

 しかし、日本に740年前に韓国は当時の高麗軍として蒙古軍と一緒に2度も九州に侵入してきました。「蒙古襲来」とも「文永弘安の役」ともいわれている戦争で、多くの武家の戦死者の他に民間人だけでも3200人の犠牲者がでました。対馬では捕虜にされた女性が手に穴を空けられて数珠つなぎにされ、盾として船に吊るされたと史書にも載っていました。

 

 国民性なのか、そんな昔のことは「忘れやすい」のか「水に流す」のか、ほとんどの日本人でそれを蒸し返す人はいないでしょう。

 

 ライダイハンという言葉があります。ベトナム戦争当時に従軍した韓国兵士によって望まずして生まれた混血の子供達です。その人数は3千人とも3万人とも言われていて、韓国人との混血という意味で、イギリスでは市民運動家がライダイハン像を作り在ベトナム韓国大使館前などに設置し世論喚起することも検討しているとのことです。

 

 罪を犯し刑務所に入った親を持った子供は、どこまでいつまでどのように反省すればいいのでしょうか? 国家の犯罪も同様に非常に難しい問題です。

 

 もちろん反省は大事ですが、「譲る」「許す」「水に流す」ということも必要なのではないでしょうか。

 

 アメリカ人の親日家で東日本大震災後に日本に帰化し今年亡くなったドナルドキーンさんは、日本人の一番の美徳は「他者への寛容」と語っていました。しかし、亡くなる少し前に最近の日本人はその心が失われてきたのが残念ですとも話されていたようです。

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