第118回 人を雇うということの難しさ・・・

第118回 人を雇うということの難しさ・・・

 新卒と中途採用をいれると、今までに面接した人たちの数は数百人以上になるはずだが、今でも自信をもって「人を選ぶ」ということは非常に難しいと考えている。

 

 野球のドラフトで1番に指名された選手が活躍する確率は、だいぶ低いのではとの印象がある。プロのスカウトが選ぶにもかかわらず、まして素人の我々は・・などと思ってしまう。それでも会社にとって一番大事なものは人であるから、その打率を少しでも上げていくしかない。その難しさを今回とりあげてみた。

 

 個人情報保護法の実施前の話しである。中途採用で管理者を雇用するために、知り合いのツテでAを面接した。経験・能力・人柄など問題ないようなので、入社を前提に準備を進めていった。

 当時は管理職の中途採用の場合は、民間の調査会社に頼んで身辺状況を依頼することにしていた。もちろん現在では法に触れるので、そういう調査はまったくやっていないし、やる会社もないはずである。

 少ししてから調査会社の担当者から電話があり、調査の結果が出たので報告しに来ることになり、当日にレポートを持って来社した。その担当者と型通りの挨拶をし会議室の椅子に座るなり、彼はいきなり青天の霹靂の話しをしたのである。

 

 「Aですが、とんでもない事がわかりました。借金が500万円以上、それも10社近くの消費者金融から借り入れがあり、金利だけで年に○○○円になるので元金が減っていないようです。前の会社を辞めたのもその事が原因かもしれません。」との内容。

 落ち着いて話していたその人物からはとてもその調査結果を想像ができず、まさかああいう人が、との思いもあり本人に詳細を尋ねようとも考えた。しかし、借金のことで頭がいっぱいで仕事に身が入らないのではと判断し、別の理由をつけて採用を見送ることになった。

 

 こういった負の例は他にもあり、改めて思い出すと入社する以前に情報を知りギリギリセーフも何度かあったし、入社後にそういう大借金問題が判明したこともあった。ただ、今では個人保護法の関係で調査を依頼することができないし、前職場に問い合わせすることも困難な時代になっている。

 

 だいぶ以前になるが、海外工場にサブの責任者を募集したことがあった。人材紹介会社から何人か紹介されスカイプで面接し、その中から穏やかながらも堅実そうな人物Bを選んだ。本人には前向きに進めたい旨の話しをし、社内でもほとんど入れる方向にしていた。

 Bの履歴書の内容にはある上場会社の職歴があったので少し気になっていたのだが、そういえば彼の元勤務先の会社の社長は20年前くらいから知っていた方だったことを思いだした。失礼とは思ったが、その社長の携帯に電話し、「海外工場の管理者を求人したら御社に在籍していた人物がいて採用を考えているが、差し支えない程度の情報をいただきたい」とお願いをした。その社長は「自分はその人物を知らないが、総務に話してみます」と快く引き受けていただいた。

 多くの社員を抱えた会社なので、数年前に辞めた管理職でもなかった社員の情報がどこまでわかるのかなと思っていたら、数日後にその社長から電話をいただいた。なんとその元社員は使い込みをして会社を辞め、外人の女性と逃げるように海外のその地に行ってしまったとのことであった。

 ゆくゆくはBにその子会社の資金まで任せようと考えていたので、大変にがっかりした覚えがある。もしかすると、自分がやったことに対して猛省し立ち直ろうとしているのかもしれないとも考えたのだが、やはり会社という組織を考えると断らざるを得なかった。

 

 社員の多くは入社してから問題を起こすことは、ほとんどないがどうしてもトラブった社員を思い出してしまう。

 

 専門学校を卒業して入社した社員Cがいた。Cは入社後5ヶ月経った頃に結婚したと届けがあり、その数か月後に嫁が妊娠したとの報告があった。しかし彼は得意先に3ヶ月間技術取得のために関東地方に出向することが決まっていた。それでも会社に戻っても、子供が生まれるまで何か月もあるのだということで予定通り行ってもらった。その2か月後くらいに出向先から連絡があった。数日間、会社の寮に戻っておらず連絡もないという。両親と嫁がいるという自宅に知らせても何もわからないという。

 そのあとわかったことだが、Cは出向中に馴染みのスナックの女と仲良くなり「駆け落ち」したということであった。初婚のうえにお腹が大きくなった嫁を、自分の両親の家に置いたまま行方知れずになった彼は、今頃どんな人生を送っているのだろうか。

 

 Cを他者に出向させなかったら、そういうことが起こらなかったのでは、いやそういう人間はいつか同じようなことをやるのだろう、などと自問自答しながらつくづく人を雇うということは難しいのだなあと実感した「事件」であった。

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