第95回 My favorite SF 〜昔書いたショートショート小説〜

第95回 My favorite SF 〜昔書いたショートショート小説〜

 学生の時からSFの小説が好きで、SFマガジン(早川書房)やSFアドベンチャー(徳間書店)、獅子王(あさひソノラマ)などを読み漁っていた。そのほかにも数種類のSFものが出版や廃刊されたが、今も続いて発刊されているのはSFマガジンだけである。

SFマガジンは発刊数年後の1960年代から10数年毎月購読し、今でも50号や100号などの記念号や増刊号などが書籍棚においてある。

 

 そして後発ではあるが、SFアドベンチャーも欠かさず購入していたが、それの目当ては表紙の美女たちの絵だったのである。

 その表紙を描いていた世界的イラストレーターの故生賴範義氏の大迫力の写実的な絵は、映画のポスターなどにも多数あり、だれでも一度は目にしたことがあるはずである。

 私も東京で催された「生賴範義展」を見に行き、その圧倒的なスケールと繊細な画風そして数多くの作品を観て強く印象に残ったことを覚えている。

 

 当時執筆していたのは星新一、安部公房、矢野徹、小松左京、眉村卓、筒井康隆等々個性にあふれ筆力で読書を唸らせるような作家たちで「綺羅星の如し」紙面を埋めていた。

 もちろん外国のアイザック・アシモフやアーサー・C・クラーク、レイ・ブラッドベリ、ERバロウズなど原作がいくつも映画化された作家のものもあり、毎月発行されるその日が楽しみであった。

 

 その中で特に気に入っていたのがショートショートの神様といわれた「星新一」である。短い小説の中に奇想天外なストーリーやどんでん返し、寓話的な話し、そして今の社会を暗示するような内容はとても面白く、よく夜更かししながら読んでしまった。

 

 その時分にその大先生に触発され何篇か書いた星新一風の「ショートショート」が、あることをきっかけに見つかったので、恥ずかしながら今回ご紹介するが「時間がある方限定」でくれぐれも仕事中や忙しい方は読み飛ばしていただきたい・・・

 

 

「カレンダー」  昭和44年10月作

 

部屋の壁には、日めくりカレンダー1つ。

カレンダーをめくった。そして、1日が過ぎた。

カレンダーをめくった。そして、2日が過ぎた。

 

あれ?おかしい。昨日は確か18日だったなぁ。

すると、今日は19日のはずだ。なのに20日になっている・・・

今日配達された新聞の日付は・・・ 20日だ。思い違いかな・・・

 

ある日、カレンダーをめくった。そして、1日が過ぎた。

カレンダーをめくった。そして、2日も過ぎた。

あれ? 昨日が26日だから今日は27日のはずだよな。

でも、今朝の新聞は28日になってるぞ。

カレンダーも、今日は・・・28日・・・おかしい・・・

いや、おかしくは無いのか・・・

昨日、間違って2枚破ってしまったんだ。

でもそれなら今日は27日のはずだぞ。

でも新聞もカレンダーも28日・・・

そういえば、前にも同じようなことがあったような気がする。

すると・・・

いや、そんな事はあるはずがないよな・・・

し、しかし・・・ よし! 試してみよう。

10枚破ったらどうなるんだ? 

 

10枚カレンダーをめくった。そして10日が過ぎていた。

まさか・・・いっぺんに10枚破ったって・・・

1日しか過ぎていないはずなのに・・・

朝刊の日付も10日後になっている・・・

奇妙だ、なんだこれは・・・

それに、このカレンダーはいつからここにぶら下がっていたんだろうか?

思い出せない・・・

今まで当たり前のようになんとなく使ってきたけれど・・・

いつこの壁に吊るしたか・・・覚えていない・・・

それにしても・・・変だな・・・

よく見れば、このカレンダーの紙、やけに薄いぞ。 

だけど、全体の厚さは普通の日めくりカレンダーに比べてやけに分厚い・・・?

普通、カレンダーを1年分だよな・・・

この紙の薄さで、この分厚さとなると、何年分かまとめたカレンダーなのかな?

となると、最後の日付はどうなってるんだ?

どれ、どれ、最後の1枚はと・・・

あれ?最後の日付は2020年12月28日だ!

それは俺の年齢が・・・74歳の時じゃないか・・・

50年分の日めくりカレンダー?

なんだよ! そんなのあるのか?

薄気味悪い! こんな、こんな変なカレンダーなんて、いらねえよ!

こんなもの! くそ!

 

バリバリッ!バサッ!バラッ!ドガッ!バリッ!パラ・・パラ・・・

 

「エムさん!エムさん? いるんですか? 会社から電話ですよ・・・

エムさん・・・おかしいなぁ・・・

エムさんはうちに下宿していた学生の時から一番真面目で・・・

寝過ごして遅刻したことなんか一度もないんだがなあ・・・

エムさん!エムさん? 開けますよ・・・」

下宿屋の主人はそっとドアを開けた。

 

と、そこには見知らぬ老人が、泥のように畳にへばりついて・・・

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