第62回 絶対に役に立つ「3」という数字

第62回 絶対に役に立つ「3」という数字

 「好きな数字はなんですか?」と聞かれると、一番多いのは誰でも考えてしまうラッキーセブンの「7」だが、次に多いのがやはり「3」だそうである。

 

経営の面でも3を入れた鉄則?が数多くある。

 

例えば、

 投資は3年で回収することを目標

 赤字の事業は3年で撤退

 3年連続で粗利益率が低下したら、抜本的な対策が必要

 近江商人の三方よし(売り手良し、買い手良し、世間良し)を見習う

 同族経営は3代で潰れる …等

 

 日本人はなんにでも「3」をあてはめたくなるので、人と企業にまつわる「3」という数字をとりあげてみた。

 

人の3の数字

 日本3大美人とは、「秋田美人 · 京美人 · 博多美人」であり、世界3大美女(日本だけの定説)とは、「クレオパトラ・楊貴妃・小野小町」となるのは誰でも知っている。

 

 昔はそういう美人を、「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」といってたたえたものだが、私が若い頃はそれの反対の例えとして、見目麗しくない女性のことを「立てばビヤダル、座ればタライ、歩く姿はドラム缶」と揶揄ったものだ。

 

 今どきの男子学生や若い人は「高収入、高学歴、高身長」の3Kでないと女性にもてないそうだが、我々が学生の頃は「立てばパチンコ、座れば麻雀、歩く姿はボーリング」の若者が多く、それが当たり前のことで、今であれば女性に総スカンを食ってしまうだろう。

 

 その学生も就職する時には「危険、きつい、汚い」という3K職場を避け、就職した後は会社仲間や上司、得意先などと「駆けつけ3杯」をやっているうちに、「賢い、謙虚、聞き上手」の3K女性を伴侶にしてめでたくゴールインとなる。

 

 しかし、なにかのきっかけで結婚後に「飲む、打つ、買う」をおぼえてしまい、「個人、家庭、会社」の3Kを顧みず、「不貞行為、暴力、別居」の離婚3大原因で伴侶に愛想をつかされて離婚してしまう者もいる。

 

 その後は男のもてる3大職業の「バーテンダー・美容師・バンドマン」いわゆる3Bになったりするが、所詮は現代のモテ男の職業3S「整体師、消防士、スポーツインストラクター」のようにはなかなかいかない。

 

 そのうちに、齢を重ねてしまいシニアの3Sである「シラガ、シミ、シワ」が多くなり、脳の海馬も衰えて国会の喚問で答える官僚のように「記録、記憶、勘違い」の3Kを連発し世間からも愛想をつかされてしまう。

 

 シニアにとっての3Kとは「お金、健康、孤独」とのことだが、健康第一にしてお金をあまり心配せずに、孤独に生涯を閉じることのない一生を送りたいものである。

 

企業の3の数字

 

 会社を経営していると、社是や社訓、年度ごとの会社方針や社員の行動指針などを策定しなければならないが、ここでも3つの考えを上げる会社が多い。

 

 例えば社訓には「誠実、感謝、創造」、「自立、努力、忍耐」、「創意、熱意、誠意」など3つの熟語を列挙したものが多く、文章になると5つのものも見受けられる。

 

 社是社訓は経営者の思いと同時に、社員に覚えてもらい、自覚してもらい、実践してもらうことを目的とするので3つが一番に浸透しやすいのかもしれない。

 

 企業には「危険、きつい、汚い」の3Kであっても「格好良い、感動、稼げる」の3Kであれば今でも社員が集まるし、更に「きれい、気持ちいい、気になる」3K会社になると女性社員も採用が楽になる。

 

 また、企業は在籍している社員に、社内の3S「整理、整頓、清掃」を徹底させれば、結果的に「清潔」になり「躾」として定着し「セーフティー」に会社全体が変わっていく。

 

 仕事上ではホウレンソウ「報告、連絡、相談」によるコミュニケーションの向上を図ることが重要であり、製造業で特に気をつけなければならないことは、品質維持向上のために「初めて、変更、久しぶり」の3Hを特に忘れてはならない。

 

 そして企業は売上や品質のベスト3やワースト3を洗い出し、ABC分析を駆使して利益の向上に会社一丸で邁進しなければならない。

 

 現代の企業には、特に深く追求実践しなければならないという経営上の新3Cがあるので項目だけ紹介するので、興味ある方は自分で調べてほしい。

 顧客(Customer)、自社(Company)、競合(Competitor)

どういう顧客や市場で、どういう競合相手と対峙し、自社の事業を展開していくかということを戦略策定する時に考えなければならないということである。

 

私は企業というものは以下の3段階で成長すると考える。

自分や家族の生活のため ➡ 会社の従業員のため ➡ 得意先や地域社会のため

 

 今、自社がどの段階にあるのかを自覚する必要があるが、最終的には企業の目的は「企業ファースト」ではなく、広い意味での「社会貢献」ではないかと思うので、その為には「継続」し「利益」を出すことがやはり重要であると確信するのである。