第51回 高額宝くじに200回当選!!~世界の袖の下~
先日、新聞を見ていたらブラジルの政治家のマネーロンダリングについてのコラムが載っていました。その内容は、不当に得た金で高額当選者から割増しで当選くじを買い取り懐に入れていた下院議員が「なぜ、あなたは12回も宝くじの高額当選ができたのか」と聞かれたら「私は小さい時から運がいい」と言ってあきれられたということです。同様に過去には別の故下院議員がブラジル市場最高の個人当選回数200回という「運がいい」政治家もいたそうです。
トランスペアレンシー・ジャパンという世界の汚職と戦っているNGOの2014年の統計「腐敗認識数ランキング」によりますと、日本は上から15番目でSABCDの5段階評価のAであり、まずまずの位置にあります。ちなみにブラジルは69位でCです。
その統計では北欧諸国が上位で、アジアでは日本の他に20位以内にはシンガポールと香港が入っていますが、隣国の韓国は43位、そして中国は100位となっています。G7で1番順位が落ちているのはイタリアで69位、ロシアが136位、北朝鮮はブービーの174位とのことです。
中国では、2015年に収賄や横領などの汚職にかかわった中国の公務員は101人で、彼らが不正に取得した金額は、1人当たり平均24億元(約430億円)というから吃驚仰天してしまいます。窃盗で死刑になるのは中国では1000万円内外だそうですが、賄賂でも3000万円位で死刑になった例もあるようです。
これらの国の中では、信じられない金額の賄賂や件数で目につくのがやはり中国です。
中国では、2007年から5年間に汚職で処分された官僚は67万人、立件された贈収賄事件は8万件、動いた金は 2900億円ですが、今では1億元の賄賂事件でないと国民はあまり気にしないとの報もあります。
2016年12月、中国は汚職の嫌疑がかけられ70以上の国に逃亡した官僚2500人を強制的に帰国させたことを明らかにし、不正に得ていた資産も総額85億元(1400億円)押収しました。なんと一人当たり5600万円ということになります。
日本でTPP担当国務大臣であったA氏が建設会社から100万円を受け取り、閣僚を引責辞任したニュースが中国で流れた時に、「日本は本当に貧乏だ。たった5.5万元(100万円)で賄賂といわれるなんて」とか「中国では、こんなちっぽけな金額は官僚の一日の朝食代だよ」などとネットにツイートされました。
2017年に世界各国の前述のトランスペアレンシー・インターナショナルが、アジア・太平洋の16か国・2万人以上を対象に行った調査によりますと、過去1年間に警察、裁判所、病院などの公共サービスを受けるために賄賂を支払ったことがあると答えた人の割合は、日本が0.2%で最も低く、割合が最も高かったのはインドで69%、ベトナム65%、タイ41%と続いています。中国は26%と思ったよりも低く、韓国は3%ということです。地域全体では、過去1年間に3分の1近い人が警察に賄賂を支払ったと回答したそうです。
日本での盆暮れのお中元やお歳暮は、中国が起源のようで昔から自分の国を世界の中心として他の民族や国を見下して、貢物を持ってきた国をそれなりに認めたという習慣から来ているようなので、中国で賄賂が多いのは、むべなるかなと思いました。
海外特に欧米などはそういう習慣がなく、プレゼントは誕生日やクリスマスなどの個人の間でのものがほとんどで、会社同士や組織の上下関係ではあまり受贈はないようです。日本ではそういう時期になると、デパートなどで大々的にPRし、テレビや新聞でも取り上げ1億総賄賂を助長していると欧米人の目には映っているかもしれません。
「リベート」は本来「賄賂」とは違いますが、その境界は曖昧なので、帳簿に載せないリベートは賄賂になると思いますが、カタカナになると合法的な感じがするのは私だけでしょうか。賄賂はだめだがリベートだからいいとか言い訳している人もいるかもしれません。一歩間違うとリベートは「袖の下」や「裏金」にもなるし、「鼻薬」というと少しだけのような気がして、罪の意識が薄くなるかもしれません。ただ「鼻薬」といっても私が耳鼻科に通っていた時は、朝昼晩に飲む薬が2種類と朝晩に2種類、夕食後だけ飲む薬が1種類なので全部で1日に11錠を飲まなければならないのです。それに加えて点鼻薬が2種類出たので、これだけ出ると「鼻薬」といっても相当な現金になるでしょう。
いずれにしろ贈り物は何らかの見返りを期待してのものではなく、金銭などに関係のない純粋な感謝の気持ちや心からのお祝いとして贈るような日本になることを願っております。そして過度な「忖度そんたく」によるややこしい問題が起こることを無くしていきたいものです。