第30回 年末考と未来考 〜未来年表で考えた〜

第30回 年末考と未来考 〜未来年表で考えた〜

二種類の郵便物が、年末近くになると送られてくる。

 

一つは海外から送られてくるクリスマスと新年のお祝いのカードだ。受け取ると「ああ、もう今年も、もはや終わるのだな。今年は自分にとってどういう年だったのだろうか・・そして来年はどういう1年にしようか・・」と若干の反省と来年のことをそのカードを眺めながら考えてしまう。

 

もう一つは、「喪中につき~」の賀状辞退の葉書がさみだれ式に届く。このような葉書は、年々多くなり既に二桁以上になっている。

 

今年は特に1月から3月にかけて数十年もお付き合いしていた親しい方が3人も急逝し、自分の年を考えても多すぎるのではと思い少し落ち込んだのだが、数年前にも、同世代の社長業奮戦中の方が相次いで亡くなり、ショックを受けたものだ。

 

お一人はフード部門の取引先の香川県の57代のA社長で、10月に丸亀市にてお会いし、事業のことや世の中のことなど夜遅くまで飲んで話しは尽きなかった。それから1ヶ月後の11月下旬に、急に亡くなられたとの連絡がきて驚き、慌ただしく日帰りで四国まで行ってきた。

 

又、12月の中旬に突然、我々の業界ではダントツの技術力を有した東京の会社のB社長が急死されたとの訃報を受けた。B社長とは奇しくもA社長と会った翌日に業界の集まりで、香川県でお会いしたのだ。彼とは、生年月日が6日しか違わないので、ざっくばらんに話もでき、「来年1月はお互いに還暦だから、お祝いをし合いましょう。」と行って別れたものだ。それが会ってから2か月足らずでこういう知らせを受けることになるとは・・・

 

2日続けて会った方が相次いで亡くなるという偶然は、当時は本当に驚き無念の思いであった。お二人とも息子さんもおり、しかもまだ30才前後、もっと多くのことを故社長から教わることがあったはずである。

 

亡くなられた方もいるが、それでは自分と同じ年齢で元気でやっているのはどういう人がいるのだろうと調べてみた。武田鉄矢、ガッツ石松、矢沢永吉、森田健作、テリー伊藤、村田兆治、松崎しげる、間寛平、リチャードギヤ、トムワトソンetc. それなりに齢を重ね、それなりに成し遂げた人たちである。

 

「よおし、彼ら以上に元気でやらねば・・」と少し張り切ることができた。

 

少し前向きになったところで、「それでは、世の中は今後どのようになるのだろう・・?」と数年前に出たものだが、未来年表という資料を参考に、十年から二十年先のことを考えてみようと思う。

 

健康医療では「脳卒中、がん、心筋梗塞による死亡率が25%低下」「老化のメカニズムが完全解明」「ゲノム治療により糖尿病の治癒が可能に」など特に今から中高年になる世代にとっては明るい予測がある。我々年代には間に合いそうにもないのが残念。ただ、介護の人材が2025年には38万人不足となるので、その時にお世話になるかもしれない我々世代は、ロボットか外国人に頼らざるを得ないのかもしれない。

 

工業分野では、「電気自動車、10分の急速充電で三百㎞以上の連続走行」自動車の未来については、ハイブリッドがしばらく続くのではとか、水素利用も侮れないなど喧々諤々の論があるが、やはり電気自動車に落ち着くのかもしれない。又、10数年後には小型ロボットが一人に一台と普及し、本人の代わりに買い物をするロボットも登場するという。

 

国内関係では、「電子マネーで子供にお小遣いを渡す親が増加」確かに現金よりも安全だし、手間が省けるが給料振り込みと同じように、親としての有難味が減るような感がする。また「仮想空間で活動するインターネット宗教が多くの信者を集める」映画で以前にヒットした「20世紀少年」の連想で、胡散臭そうな宗教が乱立してしまいそうだ。「35歳以上のフリーターが約150万人に増加」というのもあり、今の景気や円高、大震災の影響もあるので案外近未来の世の中になりそうなので、そうならない対策が必要である。

 

海外関係では「インドの経済成長率が十%を超え、投資受入額で世界トップに」「中国が連邦共和制に移行」「中国肥満人口二億人を突破、成人病増加」これはいまの世界情勢の物差しが、そっくり未来に移っていくような予測である。インドと中国、もうすぐ世界の竜虎となるかもしれないが、両国とも仏教とヒンズー教の国なので、特に中国は精神的にも大人の国として成長してほしい。

 

いずれにしろ、バラ色の未来を夢見るわけではないが、せめて今よりも明るい未来になって欲しいと願う師走の日々なのである。