第9回 宇宙人、地球に不時着! ~情報は複数からが鉄則~

 先日、「インデペンデンスデイ リサージェンス」という地球が宇宙人からの侵略をうける映画を見てきました。20年ぶりの続編で4500キロメートルの途方もない大きさの宇宙船に人類はどう立ち向かうのかという物語です。

 

 そこで、私は宇宙人のいる確率は何パーセントかと思い調べてみようと思いましたが、宇宙人は必ず存在するので100パーセントであるという説をみてなるほどと納得してしまいました。

 

 もし宇宙人がなんの予備知識もなく地球に不時着してしまったら地球のことをどのように理解するのでしょうか?

 

 例えば南極に墜落して生き残った宇宙人は「地球はなんと寒くて殺伐としているのか。生き物といえばちょこまかと立って歩く動物しかいない。とても知的動物はいないのではないか。」

 

 アマゾンの密林に落ちた場合は、「温度と湿度がものすごく高くて、そのうえ得体のしれない生き物が無数にいるようだ。おまけに恐ろしい病原菌もうじゃうじゃいる、早く救援の宇宙船に助けてほしい。」

 

 ヒマラヤの山岳地帯であれば、「酸素がいくらも存在しておらず、しかも雪だらけで寒さと風でとても我々が生きていけるようなところではない。このままでは我々は凍え死んでしまう。」

 

 太平洋のど真ん中で島もない海の中、「この星は水だけの惑星なのか?水の中には手足のない変な生き物が我が物顔に泳いでいるだけではないか。おまけにこの水はなんと塩分濃度が高いのか。」

 

我々も何かを経験した時に、この宇宙人のようになっているのではないでしょうか。

 

 以前にフィリピンに工場を立ち上げた時に、いろいろな情報を得ることができたが、あまりにも情報が極端すぎてどれを信じてよいのか難しかった。

 

一般的にフィリピンとはどういう国かというと次のように思われることが多いようだ。

 

「貧しい人々が多く国民の生活は大変である」

 確かに貧しい人たちは多いが、みな助け合って生きており日本のように孤独死や親子同士の殺人事件、生きることを悲観しての自殺などはほとんどないし、餓死者もいないのではないか。

 

「アメリカのように銃の所持が許可されており治安が悪い」

 ガードマンやそれに近い職業の人は銃を持っているが、日常的に持っている人はほとんどいないし、私も数十回以上来比しているが、危険な目にあったことは一度もない。そういうところに行かなければ大丈夫。

 

「物価が日本よりもすごく安いので年金でも極楽生活ができる」

 もちろんフィリピンの庶民と同じ生活をすれば安いが、日本人がそこまでやるのは難しい。住宅は安全な所に住むと思えば日本以上に家賃が高額だし、日本と同じものを食べるのであればやはりそれなりに高くなってしまう。

 

などなど・・・・

 

 なんでもそうだが一面だけを見て判断するととんでもない解釈をしたり、場合によっては真逆の見方をしたりする可能性が多い。

 

 あの国は、あの地方は、あの会社は、あの店は、あの学校は、あの人は、など一人や二人に聞いた情報だけで、あるいは一つ新聞や週刊誌、テレビで見聞きしただけで判断するのは実際は難しい。

 

 結局、狭い範囲だけの付き合いだけではなく、いろいろな人と出会いいろいろな情報を仕入れ、その情報を改めて少し時間をおき咀嚼消化していくことで、より正確なものが得られるのではないかと思う。