第212回 クレジットカード考 〜リボ払いは自転車操業〜

第211回 クレジットカード考 〜リボ払いは自転車操業〜

テレビやラジオそしてネットまでも相も変わらず、弁護士事務所や司法事務所による借入金の過払い金を取り戻したというコピーが流れています。

「私は50万円も戻りました!こんなに現金が戻るなんて!」という利用者の声と「借金の経験がある人は相談無料なので、24時間いつでもご相談ください。〇万人もの人が〇十億円も返済された実績があります。」というような内容です。

昔はサラ金が多かったかもしれませんが、今ではその利用者はカードを使ってその支払いで相談した人が大多数なのではないかと思います。

最近は、消費税関連やコロナ禍もありキャッシュレスがだいぶ進みましたが、日本ではその内容が理解されずに前述のような問題が多いのかもしれません。

 

今は個人保護法で禁じられていますが、昔は人を雇う場合にその仕事内容により信用調査を何度か依頼したことがありました。

実務の他に現金も扱うある部門の責任者を職安に頼んだところ、仕事もできそうで温厚な人物が応募してきたのでほぼ決めることにして、その前に念のためにと調査会社に依頼しました。

ところが結果は、500万円位の消費者金融からの多額の借金があり、どうやりくりしてもそれは返済できそうもなさそうなので、本人には別の理由で御遠慮していただいたことがありました。

 

キャッシュレスというと現在は大まかには次の4種類だそうです。

1番目のクレジットカードには、月ごとの後払いでの一時払いと分割払い、そして現在カード会社がすごく力を入れているリボ払いがあります。

2番目のデビットカードは、即時引き落としで買い物時点の口座の残高を超えることはできませんので使い過ぎて借金になることはありません。

3番目のプリペイドカードは、お金を前払いでチャージして利用するものでこれも借金とは無縁ですし、4番目の今大注目の電子マネーは審査のいらないデジタル貨幣です。

 

最近では知らず知らずに借金が多くなり、青息吐息になってしまうのが「リボ払い」であり、リボルビング払いの略称のことです。

この内容を「定額支払い」と理解している人も多いようですが、もともとの英語の意味は「自転車操業」つまり「借金枠を回転させて使う」ということなのです。

ある資料によると、リボ払いを利用したことがあるのは若い人の場合には30パーセントにもなるということですが、その金利は15%から20%もあるということを知らないのではないかと心配になります。

銀行の定期預金金利が0.002%、100万円を1年間預金しても利息は20円で税引き後は16円にしかならない時代に、その1万倍の金利を知らずに平気で払っているのです。

 

リボ払いは支払回数を決めて返済する分割払いとは全く別物で、「毎月の支払額を一定の金額に固定して、金利とともに返済する」という仕組みなので、毎月の支払額が同じで利用しすぎると支払総額が増大し支払年数も長くなります。

 

しかも、リボ払いの場合は金利ではなく「手数料」と明示してあるので紛らわしいですし、勧誘のキャッチコピーには「リボ払いに変更するとポイントが、従来の1%から2%に2倍になるので断然お得です。」などとあり、得をした気分になってしまうので要注意です。

ポイントで得したようでもリボ払いの金利は、15%から13%になっただけなのですから高金利には間違いありません。

リボ払いの金利は残高スライド方式で借入残額よって月の返済額が変わるので、総額が増えると月毎の支払額も増えてしまいます。

しかも、支払い方法は元金均等方式と元利均等方式があるうえに、定率方式もあって結構複雑なのですが、ほとんどのカード会社は「利益頭」として勧めますから要注意です。

 

カード会社によっては、知らないうちにリボ払いに変更になっている場合もあるそうで、クレジットカードの見直しと支払いの内訳は必ずしっかりと確認し、よほどでない限り借りる場合は、システムをよく理解して自転車操業の「後の祭り」になることだけは避けたいものです。