第206回 COVID-19感染OB伝聞録

第206回 COVID-19感染OB伝聞録

私は新型コロナワクチンを2度打ち終わり、経過期間も過ぎてだいぶ気が緩んでいましたが、現在主流になりつつあるデルタ株はそれでも感染するということで、まだまだ安心できないようです。

新型コロナは最初にアルファ株、次にベータ株、そしてガンマ株と変異し、今やデルタ株が猛威を振るっていますが、南米ではさらに超強力なラムダ株なるものが出現してきたそうです。

アルファから始まるギリシャ語のアルファベットでは、ガンマの次はイプシロンなので、そう命名されると思っていましたが6文字離れたラムダとなったのは、それほどに感染パワーがあるウィルスなのかと思ってしまいました。

 

最近では会社関係の方や知人やその家族が感染したということも珍しくありません。

 

そんな折に先日、知人のAさんとお会いしたら「私、今年新型コロナに感染してしまいました。」と言われて、その時の経過を聴くことができました。

 

Aさんはある日に少し咳と微熱が出ましたが、コロナがうつるような行動は全くしていないのでまさかとは思いながらも発熱外来に行ったところ、PCR検査で陽性と診断されてしまいました。

1週間近くの待機期間後に指定されたビジネスホテルでの療養となり、熱もありそのほかの症状もありましたがそこにいる間には治療は全くなく、当初服用された解熱剤も飲んではいけないと言われたそうです。

比較的軽症だったこともあり、病状よりもその1週間ほどの隔離の日々で一番こたえたのは「食事」だったそうです。

毎日の食事に提供される弁当の献立は、若い人には喜ばれるようなおかずや揚げ物などが多く、もちろん出前やコンビニに行くことができず、家族からの差し入れも禁止されたそうです。

ネットでの注文は許可されていたようですが、それは面倒なのでやりませんでした。

私と同年代に近いAさんは「何日も同じような若い人向けのような弁当を食べるのは、本当に辛かったです。無料で滞在しているのに贅沢は言えないのですが・・」と言っていました。

さらには、「テレビを見ることくらいしか毎日やることが無くて・・それも大変でした。」ともこぼしてもいました。

時間が有り余っていたせいか、シーツやパジャマや下着の選択、部屋の掃除、トイレや風呂も毎日磨いていたそうで、部屋を退出する時に係の人に「年配の方は部屋を本当にきれいに使われていますね。」とお褒めの言葉もいただいたと苦笑して話されていました。

それでも退院した後に、感染した人も受けたほうが良いという医者の勧めで、ワクチンを接種したところ熱が出る副反応がひどくて、1回目と2回目の両方とも結構きつかったようです。

若い人がワクチンを打つと副反応がよく出るというのは、新陳代謝力や抵抗力が我々の年代に比べて優れているせいだと思っていましたが、同じように一度感染した人の体には免疫力が多少あり、そのぶん抵抗力があったのではないかと素人考えをした私でした。

 

ある4人家族の息子さんが感染したので、親たち夫婦も濃厚接触者として自宅待機となったそうです。

息子さんがなかなか陰性にならず、二人とも1カ月近く各々の会社を休みました。

自宅待機といっても生活するためには買い物に行かなくてはならないので、保健所からの許可を受けスーパーや生協に行っても良いが必ず一人で行くことと、直行直帰で他には絶対に寄らないということで出かけることができました。

自治体によっては買い物代行やその他の支援をしてくれるところがあるそうですが、実際には感染してもこのようなことが当たり前のようです。

 

県外に住んでいる私の愚息も3回ほど濃厚接触者になり、PCR検査をその回数したそうで幸い全部陰性でしたが、いつ罹患してもおかしくないような状況です。

新型コロナが発生して1年半以上も過ぎましたが、対策があまりにも遅々として進まず日本は本当にどうなってしまうのだろうと、ほとんどの人は腹に重しがあるような思いをしているのではないでしょうか。