第180回 最近気になった数字 〜0番札所とは?〜

第180回 最近気になった数字 〜0番札所とは?〜

 音楽は好きだが数学は嫌いという人でも、最近の定期預金の利息の数字を見て愕然とするのではないでしょうか。

 現在は普通の銀行では金額に関わらず1ヶ月でも5年でもすべてが超々低年利の0.002%です。つまり、虎の子の100万円を1年預けても20円、税金を控除されるので手取りで16円にしかなりません。

 昔の年利8%の時代がなつかしく、10年間銀行に置けば倍になるといわれていましたし、それなりの退職金であれば年金に金利が加算されたら十分に暮らしていけたのです。

 以前の仕事では100万分のいくらという単位としてppmを使っていましたが、今の金利は100万分の20なので20 ppmということになってしまいます。

 

 このように数字は好き嫌いにかかわらず、我々の生きる上で否が応でも関わらざるを得ません。そこで今回は私が気になった数字についてとりあげてみました。

 

牛は1日320リットルのメタンガスをだす

 地球上には約15億頭の牛がいて、彼らはゲップやおならで1日に1頭あたり160ℓから320ℓのメタンガスを放出するというから、生きているガス製造機なのですね。

 地球の温暖化の一つの原因である温室効果ガスは、その76%が二酸化炭素ですが、メタンガスも16%を占めており、しかもメタンは二酸化炭素の28倍もの温室効果があるそうです。

 その仲間の羊や山羊やラクダも出すそうですが、圧倒的に多いのが牛で地球全土の大気中にあるメタンガスの30%を出しまくっていると科学者は警鐘を鳴らしています。つまり牛が地球上から1匹もいなくなれば、それだけ地球の温暖化が改善するということです。

 ステーキをたくさん食べると地球が危うくなるのは今や常識のようです・・

 

咳を1日すると900 kcal消費

 咳一回の消費カロリーは2kcalなのだそうです。従って10分間に5回、1時間に30回の咳をすると、起きている間に450 回位で900 kcalのエネルギーを消費することになります。

 ジョギングを10分すると体重60㎏の人は100 kcal消費するので、1日中咳をしてしまうと、1時間半走っていたことになります。

 風邪をひいて咳が止まらなくなると、とんでもない体力の消耗になりやはり「風邪は万病のもと」というのは、たくさんの咳をするからなのかもしれません

 ましてやコロナになって体が弱っている場合は、その負担は計り知れないでしょう。

 

脳の重さは体重の2%だが、エネルギーの消費は20%

 人間が1日に必要な摂取カロリーは2000 kcal前後ですが、体重の2%しかない脳が消費するのは20%ということです。つまり400 kcal位の熱量を1.5㎏しかない脳みそが使うのだから驚いてしまいます。

 だからといって、家に閉じこもって頭ばかり使っても、知能指数が高いからといって消費の量が増えるわけでもないようです。頭をフル回転させても、ボーっと1日過ごしていても使うエネルギーは変わらないので、いくらスマホでゲームをしてもダイエットは無理のようです。

 筋力、持久力、免疫力をつけるにはやはり運動の方が良いようです。

 

60ヵ国の平均寿命は50歳代から60歳代

 ミヤンマー人の介護技能実習生と話す機会がありました。

「あなたはミャンマーで介護の仕事をどの位していたのですか?」と私。彼女の返事は「ミャンマーでは平均寿命が60歳代なので介護の仕事はほとんどありません」

 介護が必要になる前に寿命が尽きてしまうので、そういう心配はないのだなあと、妙に納得してしまいました。

 そこで調べてみたら、世界の200ある国の内ミャンマーは平均寿命が156番目の67歳でした。そして50歳代が13ヵ国、60歳代という国が50もあったのです。

 日本でも1960年代は平均寿命が60歳代だったので、そんなに驚くことはないかもしれませんが、2060 年には、女性の平均寿命が 91歳になるというので、その後の100年後には寿命が110歳になっているかもしれません。

 

四国八十八ヶ所巡礼には第0番札所があった

 日本人で知らない人はいないという四国八十八ヶ所霊場の遍路ですが、第1番札所の前に0番札所があるということを知っている人はあまりいないと思います。

 私は数年前に行ったことがあるのです。彼の地は、中華人民共和国陝西省の西安にある青龍寺で、空海(弘法大使)が日本で真言宗を布教する前に修業したお寺です。

 西安市にはあまりにも有名な世界遺産の 兵馬俑が、8000体以上発掘されたところなので、ツアーでは青龍寺をスルーされる恐れもありますから、四国八十八ヶ所に興味がある方は前もって確認したほうが良いでしょう。

 

 

 いろいろと数字のことを取り上げましたが、最近すごく気になった数字というか数学の話題では、「ABC予想」を日本人の学者が証明したという報道でした。

 コロナ騒ぎであまり大きな話題にはならなかったようですが、今年の4月3日の新聞には数学の超難問「ABC予想」を証明した京都大数理解析研究所の望月新一教授の偉業は、ノーベル賞よりも価値があるかもしれないという内容も掲載されていたような気がします。

 8年近く前に発表された600ページの論文が、今年の春にようやく受理され認められたということで、「未来から来た論文」とも称賛されているそうです。

 マスコミなどでもっと紹介してコロナで傷んだ日本人に勇気を与えてほしかったと思いました。

 内容は非常に難解で理解することは厳しく、なんとかその千分の一でも理解してみたいと衰えてきた脳みそを絞ってはいるのですがどうなることやら・・