第167回 3.11に思う 〜必要不可欠な生物学系BCP〜

第167回 3.11に思う 〜必要不可欠な生物学系BCP〜

 東日本大震災3.11がまたやってきましたが、なんと早い9年間だったのでしょう。自分の実感としてはまだ3年位しか過ぎていないようなそんな気持ちです。

 いつもは仙台市内の区役所に献花に行きますが、今年はコロナの影響で国も地方自治体も追悼式を取りやめにするようで残念です。

 

 その3.11の大震災の後に産学官で一斉に号令され実施されるようになったのがBCPです。BCPは事業継続計画(Business Continuity Plan)であるということは周知ですが、「喉元過ぎれば~」のことわざ通り当時はせっかく作成したBCPなのに、形骸化している企業も少なくないのではないでしょうか。

 

 釈迦に説法ではありますがBCPとは「災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画」であり、災害は自然災害と人為 災害に分類されます。

 

 さらに自然災害は水気象学系(台風、ハリケーン、洪水、干ばつ、高潮)と地質学系(地震、津波、火山噴火)、生物学系(伝染性疾患、疫病)の3つに分類されるそうです。 

 9年前に震災の体験をした私たちは、どうしても災害というと地震を思い浮かべてしまいそれがメインでBCPを作成することになります。また、昨年の台風15号と台風19号を被災された方は、その経験からやはり洪水を念頭に置いてのBCPということになるでしょう。

 現在はコロナの嵐が世界中に吹きまくっており、それは生物学系の災害ですがこれを機会に自社のBCPを見直し、水気象学系と地質学系の他に生物学系についても追加して作成することが必要ではないでしょうか。

 人為災害としては、技術災害(工業事故、大規模火災)と複合災害(民族紛争、武力衝突、内戦、戦争)に分類されるそうですが、私としては政治災害も付け加えても良いのではないかと思っています。愚策による損失は、自然災害にも劣らず子々孫々まで影響が及びますが、それでも実際に企業が政治災害用のBCPを作るとなると、それはなかなか難しいかもしれません。

 日本のコロナ対策を見ると場当たり的に対処しているような感があり、国としてBCPが本当に存在するのかと不安になってしまいます。

 マスコミも不安を煽るような報道が多く、パニックを起こさせないような冷静な情報提供が必要であると思います。

 

 世の中に企業向けの生物学系BCPというものがあるのかを、調べてみましたがほとんど見つけることができませんでした。

 今回の厄災を教訓として、企業の役に立つようなBCPを政府や大学などが少しでも早く作って欲しいと思いますが、いかがなものでしょうか。

 

 追記・ひとりごと

 コロナの影響で長年通っているスポーツジムが、遂に先週から休館となりました。各スポーツ界も中止や延期、無観客試合と対応に苦慮しています。先月後半から参加する予定の産学官や金融機関の諸行事がほとんど中止になり、私も3月までの予定がそれらやスポーツ観戦も含めすべてキャンセルになりました。

 そしてライブや卓球場やビュッフェレストランや前記のスポーツジムも含め、政府は営業自粛を要請しています。もちろん、それも必要かもしれませんが非常に気になることがあります。

 それはパチンコ店や麻雀荘やゲームセンターなどはどうなっているのでしょうか。特にパチンコ人口は1千万人といわれ、濃厚接触の代表的なものではないでしょうか。換気は決して良い環境とはいえず、隣の台の人とはほとんど肩を接するほど近く、パチンコ台には常にへばり付き、高齢者も多くダイヤモンドプリンセスクルーズと遜色のない環境ではないでしょうか。

 また、ゲームセンターについても学校が休みで行く先がなくなった子供ジプシーのたまり場にもなっているかもしれません。

 風営法で簡単に規制できる娯楽施設もあるので、早急に対策を立てないと「ざるで水をくむ」状態になってしまうことを大変に心配してしまうのです。