第153回 役に立つ?「◯◯の法則」

第153回 役に立つ?「◯◯の法則」

 日本中を沸騰させたラグビーワールドカップが終わりました。

 数年前にラグビー解説のセミナーに出たことがあり、ルールを教えてもらい今回の試合を何度かテレビで観ましたが、それでもなぜ反則なのか半分くらいしかわかりませんでした。

 

 日本チームの大活躍と筋骨隆々男達の肉弾戦、その世界最高峰の戦いはテレビで観戦してもその真剣勝負は、手足はもちろん肩にも力が入り見終わった後には筋肉痛になるのではと思ったほどです。

 

 ラグビーを観ながらふと頭に浮かんだのがなぜか「働きアリの法則」でした。

 

 働きアリは、働いているアリが8割で残りの2割は怠けていてほとんど働いていないそうです。そしてよく働く2割のアリがその集団の必要な食料の8割を集めるといいます。

 汗水流して「粉骨砕身、一生懸命」働いているアリと、定時で「普通」に働いているアリ、植木等のように無責任で「自堕落な」アリは、それぞれ2割と6割と2割になります。

 そこで、超真面目な粉骨砕身アリ2割をその集団から取り除いてみると、普通アリと自堕落アリつまり残りの8割にあたるアリの中の2割が粉骨砕身アリになり、全体としてはまた2割6割2割になってしまうというのです。

 更に面白いのはそれではと、サボりアリを除いて働くアリだけを集めると、なんとサボるアリが出てきて2:6:2になってしまい、逆にサボりアリだけ集めてもやはり2:6:2に分かれるそうです。

 

 企業の場合も当てはまりそうですが、ただ社員よりも働かない経営者がいたとしたら、全員サボりアリになってしまう可能性があるので、経営者はいつも働きアリの2割でいたいものです。

 

 プロ野球でも優勝したチームから活躍した有力選手が翌年に何人かいなくなっても、別の選手が大活躍し又優勝してしまうということがあります。これも「働きアリの法則」と同じではないかと考えます。

 

「働きアリの法則」は「2対8の法則」や「パレートの法則」ともいわれています。

 

 事業をしていても同じような例が多々見られます。

「2割の製品の売上げが、全体の売上げの8割である」

 これはABC分析でも同じで、製品を売れる順番からABCの3つの分類に分けていくと、A群の製品が8割を占めるのでB群とC群の製品よりもA群の製品の販促や品質管理に力を入れた方が会社の業績が向上するという手法です。

 その他に「売上げの8割は、2割の得意先によるものである」とかサービス業や飲食業では「常連の客は8割で新規の客は2割がベスト」ともいわれています。

 また、「故障や不具合の8割の原因は、全部品の中の2割の部品に原因がある」とか、「仕事をした時間の2割で仕事全体の8割の成果を出している」という説もあります。

 

 同じような割合になりますが、「78対22の法則」という偶然にしては面白い法則をご紹介します。

 

「人間の体は水分78%、その他22%」

「空気中の成分は窒素約78%、酸素・二酸化炭素等その他の気体が22%」

「地球の海の割合は78%に対して陸地が22%」

「円に外接する正方形は、正方形の面積を100とすると、円の面積は78、残りは22」

 

 さらに、いろいろな例がウェブ上にあるので興味があれば調べてみると良いでしょう。

 

 この法則は「ユダヤの法則」とか「黄金比率」とも言われていて仕事上でも使われますが、オカルティックにも取り上げられる場合もあるようでその解釈の見極めも必要でしょう。

 

 もう一つ「松竹梅の法則」というのもあります。これは「働きアリの法則」とは少し違いますが、三段階の選択肢があった場合に「2:5:3」になるということです。

 例えば、寿司屋に入りそのメニューに松8000円、竹5000円、梅3000円と書いてあると、一番多く注文されるのは真ん中の価格の竹のセットになります。

 その比率は松2:竹5:梅3なので、その寿司屋は一番お勧めのネタを竹に多く入れリピーターを増やすことができます。

 

 このようにこういった「○○の法則」をうまく活用することにより、仕事や生活が少しでも良い方向に行くようになるかもしれませんので、たまには現在やっていることを振り返ったり、計画を進めていく時に取り入れたりするのも良いのではないでしょうか。

 

 プロ野球日本シリーズがあっという間に終わり、ソフトバンクの強さをまざまざと見せつけられました。その強さの要因はいろいろあると思いますが、その中でソフトバンクは育成出身選手が6人も活躍したのが他球団になかったとの解説がありました。

 千賀投手と甲斐捕手、そして巧打者牧原や俊足代走の周東、リリーフ陣の石川とモイネロが育成出身です。

 彼らは、もしかすると「働きアリの法則」で活躍したのかもしれないと考えたのは私だけではないような気がしますがどうなのでしょうか・・