第120回 干支(亥年)雑考 〜イノシシの年に何が起きたのか?〜

第120回 干支(亥年)雑考 〜イノシシの年に何が起きたのか?〜

明けましておめでとうございます。

 

 年賀状は1年に一回しか届きませんが、やはりお正月は年賀状を見るのが楽しみです。

 最近はメールだけで済ませるようになった人たちも多いそうですが、昔からの知人や親せきが旅の風景や家族の写真を写した賀状や、海外からクリスマスカードと兼用のカードが届いたりすると、元気でやっているのだなあと改めて思ったりします。もちろん、義理に近い賀状もありますが、それでも年に一度は思い出してもらっているのかな、無事で過ごされているのかなどと、出していただいた人の顔が浮かんだりします。

 

 さて今年は干支の最後にあたる亥年ですので、過去のイノシシ年にどういうことがあったのか調べてみました。

 

 ちょうど干支の一回り前の2007年、ついこの間のような気がしますが、この年はITがすさまじい勢いで発展するようになった元年のような年です。同年に「ググる」族の大元締めであるインターネット検索大手Googleが、携帯電話専用検索エンジンの提供を始めました。また、アメリカでiPhoneが初めて発売を開始した年で、あっという間に日本中がリンゴの携帯に市場を席巻される初年であり、まさに黒船来襲のように日本のメーカーは背筋が凍り付くような思いをしたのではないでしょうか。ちなみに江戸末期の黒船は、アメリカが鯨油を確保するために捕鯨船で世界中の鯨を捕りまくり、補給基地として日本に開国を迫ったのが重要な来航目的だったことを考えると、今回のIWC関係の出来事には複雑な気持ちになりました。

 

 更にさかのぼった1995年には、阪神淡路大震災の天災と地下鉄サリン事件という人災が立て続けに起こったとんでもない年でした。この自然の大災害と凶悪な事件は「治安大国」と胸を張っていた日本に大きな衝撃を与え、その後に幾多の法律や制度を生み出したのでした。

 

 1983年は、東京ディズニーランドが開園し、1年後には入場者数1000万人を突破しその集客力に度肝を抜かれました。当時の社員旅行では、社員の人達とTDLに行きましたが、あまりの人の多さと行列でアトラクションには3つ位しか入ることができず、ただただくたびれてしまったのが最大の想い出でした。任天堂が「ファミリーコンピュータ」を発売したのもこの年で、日本の子供たちが外であまり遊ばなくなった元年かもしれません。

 

 1971年は、ニクソンショックにより、円が360円という固定相場から308円とへ変動相場制へ移行するということになった初めての年でした。私が初めて海外を旅したのが1974年ですから、当時はレートが300円位で、海外持ち出しも500ドルまでという制限がありました。ここで極秘の情報を明かしますが、円は当初なぜ360円だったのかというと実は「円は360度」なのだからということをその筋の関係者から聞いたことがあるのです。(いつ誰に聞いたのか忘れましたが・・)

 

 そしてちょうど60年前の1959年 昭和34年には、年配の方が誰でも思い出してしまうおめでたいことが2つありました。一つ目はその年の4月に、現在の天皇陛下である皇太子明仁親王と正田美智子さんがご結婚されました。私もテレビの中継をみたり、ご成婚記念の切手を買い求めたりして、日本国中がお祝いしているのだなあと幼いながらも思ったことを覚えています。ご結婚から60年目の同じ亥の年に元皇太子の現天皇が退位されるということは、偶然ではありますが感慨深いことではないでしょうか。 

 ご成婚から遡った同年1月、昭和基地に1年前に天候悪化により置き去りにされたタロとジロの奇跡の生存のニュースが飛び込んできました。この出来事は新年早々の明るいニュースで日本中を感動の波で覆いつくしたのです。犬たちを称える歌が作られ、「南極物語」という映画にもなり、それから50年後の2009年には南極基地観測50年の記念硬貨が製造され、その片面にはタロとジロの姿がデザインされているほどの不滅の人気があり、現在でも犬好きな人には名犬ハチ公と双璧を成しているようです。

 

 中国では猪は豚と同じということで、今年は豚年なのだそうです。確かに日本でも野生の猪は約90万頭それに飼育されている900万頭の豚を加えると、1千万頭という計算になり日本では一番多い動物かもしれません。

 そして、猪の肉は万病に効果があるともいわれ無病息災の象徴ともなっているようです。

 

 今年の1年は皆様が「健康第一」の年になりますことを、心からお祈りしまして年頭のブログと致します。