第32回 「1.01」の法則で成功する!! 〜1年後に37.8倍になる〜

第32回 「1.01」の法則で成功する!! 〜1年後に37.8倍になる〜

2冊目の5年日記が昨年末で書き終わりました。

2007年からこの5年日記を始めたので、ちょうど10年たった計算になります。新たに2017年から2021年と書いてある日記を始めるにあたり、いろいろな事が思い出されました。この5年日記は過去の同月日の出来事が、縦列で一目瞭然にわかるので、つい読み返してしまい自分の記憶のあやふやさに愕然としたりもし、人間というのは本当に忘れる動物なのだと改めて思ったりもします。また、あと5年間もよい人生を過ごせるのだろうか、病気やけがなどして思う通りの日々を過ごせなくなったりしないか、などと少し弱気のことも考えたりもします。

 

そこで「1.01」の法則と「0.99」の法則を思い出しました。これも知っている方は多いと思いますが、改めてお話しします。

 

「1.01」の法則とは毎日毎日1%の努力を365日積み重ねるということです。積み重ねるといっても乗算するということです。

1.01×1.01×1.01×1.01×1.01×1.01×1.01×1.01×・・・・・

これを365回繰り返します。

 

そうすると1年後にはなんと37.8倍になっています。

 

「0.99」の法則では、反対に毎日毎日1%サボってしまう

0.99×0.99×0.99×0.99×0.99×0.99×0.99×0.99×・・・・・

これも365回繰り返します。

 

なんと結果は0.03になってしまいます。

現在のゼロに近い0.00001(0.001%)の銀行金利よりは高いですが、それでも以前の数値の33分の1になってしまいました。

 

1.01と0.99の差は最初には、たった0.02しかありませんでした。ところが日々の積み重ねの1%の努力と1%の手抜きでこのように驚くべき差がついてしまいます。

 

「凡事徹底」という似たような言葉があります。「凡事徹底」は当たり前のことを当たり前に継続して一生懸命やるということですが、実は大変に難しいことかもしれません。よくできる人のことをあまりうまくできない人は、「あの人は才能があるから」などと言ったりしますが、実は「努力するということも才能」なのではないでしょうか。いかに努力をし続けるかということが非常に重要だと思います。

 

製造業では「ABC」を実践しなさいとよくいわれますが、それは皆さんご存知のように「A」当たり前のことを「B」バカみたく「C」チャントとやるという事です。

 

例えば、製造業の会社には4つの柱があります。それは技術、製造、営業、総務です。どのひとつの柱がかけても屋台骨がグラグラして、会社は不安定になったり潰れそうになったりします。

 

今はどこの会社の技術部門でも、他には無い特異な技術や管理技術、製造技術等に一生懸命に取り組んでいます。そしてその技術部門でも、製造技術や環境や品質管理それに新しい分野にチャレンジする技術開発という4つの柱があり、それをバランスよく進めることが必要です。

 

製造部門ではやはり原理原則が大事です。決められた管理方法を毎日毎週毎月あるいは定期的に確実に行うことです。もちろん始業前の段取りや仕事を終わった後段取りなども掃除と一緒に必ず実行しなければなりません。いい意味での手抜きは必要ですが、納期遅延や納品数不足それに異常品の流出などは必ず避けねばならず、不具合は常に顕在化させ隠し事は犯罪と認識しなければなりません。

 

営業部門はロットの大きい金額を受注することはもちろん大切ですが、ぼろ儲けできる仕事はもうどこにも転がっていません。あまり大きくない受注量でも多くの得意先から仕事をとることが必要です。そして得意先からQCDに満足していただき、その成果を回収するまでが仕事と捉えることです。

 

総務部門は縁の下の力持ちといえますが、特に「凡事徹底」の部門です。経理にしても労務にしても庶務にしても毎月その徹底が非常に重要です。いつもそれを実践している職場かもしれません。もし支払いがあるいは給料が1日でも遅れたら大変な騒ぎになります。他の部門とまた違ったシビアさが要求される部門です。

 

その努力した成果が実り、その部門のリーダーや部課長などの管理職、そして経営者に驕りがでたら、せっかくの果実の収穫が台無しになります。

 

「果にして驕る勿れ」という老子の言葉があります。

 

いかに努力していい結果を出しても強がったり威張ったりしたら、友から愛されなくなる。その成果は、みんなに協力してもらったことやちょっと運がよかったせいもあるかもしれない。出た成果を尊大に思いすぎて、自らを誇り他人を馬鹿にするのは破滅の一歩手前である。人は驕慢になったときは人生の勝負に負けているといいます。その成果は凡事を続けたということで、謙虚になればこそ喜びは皆で分かち合えられるものです。

 

このように、「凡事徹底」とは大変に重要な四文字なのですが、それに加えて「1.01」の法則を思い出していただきたいと思います。 

 

繰り返しますが、当たり前のことを継続しながら少しだけ努力を積み重ねることで、やがては素晴らしい結果になるということを知ってそれを選択するかどうかは、社員の方に問いかけてほしいと思います。